[第30回スニーカー大賞前期応募作品]純白の少女は人を斬り

第1話 危うげな、真白い少女が一人

 振り下ろされた刀は手袋を斬り裂き浅く指に触れて鮮血を流す。刃には可憐な少女が映っていた。


 敵を弔わんとする純白の着物。二度と色の変わることのない白髪は腰を過ぎる。胴から足にかけては黒漆の拵えが光り輝く。それらは風にひらめいていた。

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