三週間経っての変化

寒い日と暖かい日が交互にやって来ているような日和が続いていますね。

桜の咲き方がなんとも中途半端というか、咲いてるやつは咲いてる、咲いてないやつは咲いてないみたいな。


あれからちょうど三週間。

外がやけに静かになりました。

毎週買わないと間に合わなかったキャットフードは、減りが遅くなって、長持ちするようになってしまいました。

そういう変化からも、トラがいなくなってしまった現実を突きつけられている感じがします。


うちではトラを含めて猫が3匹いたんですが(残った2匹は健在で、1匹は室内、1匹は外で暮らしています)、みんなご飯の好みが違うんですよね。

まぐろ味のシーバデュオしか食べないとか、銀のスプーンの三ツ星グルメばかり食べるとか。

トラは基本的になんでも食べたけど、歳を重ねて噛む力が弱ってきたからか、CIAOのパウチを喜んで食べてました。


最後の頃はトラがご飯を食べなくなってしまって、家にはCIAOが残ったままです。


キャットフードの減りが遅くなった原因のひとつは、トラの面倒見の良さかな。

猫の世界では「ねこねこネットワーク」なるものがあると聞きますが、

トラは外でご飯にありつけない猫たちに「うちならご飯を食べられるよ」と声をかけて連れてきていたのかもしれないです。


トラのご飯の時間は決まっていなくて、お腹が空くと縁台にやって来たので、そのタイミングでご飯をあげていました。

朝にしっかり量を盛って出してあげたはずなのに、昼には空になっていて、また催促にくる。

昼もしっかり出したはずなのに、夕方になると、また貰いに来る。


お婆ちゃんなのによく食べるなぁなんて家族と話していましたが、ある時たまたま、他の野良猫が食べているのを見かけました。

トラは追い払うでもなく、1メートルくらい離れたところからじっと見守っている様子。

どう見ても、強い猫にご飯を盗られたわけじゃなくて、譲ってあげている感じでした。

(むしろケンカしたら、トラの方が強そう)


トラはそういう姉御肌なところがあったから、それでキャットフードが凄まじい勢いで減っていったんだろうな。

優しい子だよ。


トラがいなくなってからは、他の野良猫が家に寄り付くこともなくなってしまいました。

野良猫たちは、ご飯はついでで、本当はトラに挨拶に来ていたのかも。


最後にその猫たちに挨拶できたかな。

私が弱り始めたトラに「うちにいてね」なんて言っちゃったから、行きたくても行けなかったかな。

自由な猫を、最後に人間の我儘で縛ってしまったかもしれないな。

今なら、自由に走ってるかな。


今夜も外は静かです。

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