第3話 ようこそオブジェクトアビリティへ

「ただいま〜」


「おかえり悠。ご飯できてるわよ」

母親の奈津影綾が俺に声をかけた。父親はまだ帰ってきてないみたいだ。

「うん。ありがとう」


俺は帰った後、手を洗いうがいをして席に座りご飯をかきこんだ。そして諸々やるべき事を終わらせ7時50分になった。


「よしいくか。オブジェクト・アビリティに」

奈津影悠陽は横になった。


"オブジェクト・アビリティへようこそ"


"名前を入力してください(25文字以内)"


「名前か〜」

俺はまともな名前を付けたことがなかった。理由はめんどくさいし、直ぐに始めたいからだ。

『あ』とか『あああ』とか名無しの時だってあった。バーサスでは名無し(空白)だった。だから黒青の支配者と呼ばれていた。そして無双していた。(フォルテには敗北したが)

しかし今回は違う。このゲームの情報を集めると共にクリアしたい。そう思っていた。

「奈津影悠陽だから苗字と名前の頭文字をとって"ナツヒ"にするか」


"名前の変更はできませんこれでよろしいですか?"


はい/いいえ


「はい」


"右手に擬似的なチップを埋め込みました"


"オブジェクトを選択し、スキャンしてください"


"選択したものはスキルの核となります"


"一度スキャンしたものは変更することは出来ません"


"注意してください"


「なるほどねぇ…俺の右手にある擬似的なチップにオブジェクトをスキャンさせてその固有の技とかスキルで戦えってことなのかな?」


「剣、斧、盾、銃、魔女のホウキ、洗濯機、パソコン、扇風機、エアコン、テレビ、こたつ、ペットボトル、って種類ありすぎだろ!」

以外に凝っていてイメージとは大きく上回っていた。しばらく色々見ていると…


「え?た、たわし?そんなのもあるのか…というか誰も選ばんだろこれ」


結果的に3分くらい悩んだ。


「よし、今回は斧にしよう。いままで剣ばっか使ってて飽きてきてたしな」


"スキャンが完了しました"


"エリア内にいる10体のボスを倒し、最後のボスとなるグレラーレインダーを倒せば賞金5000万円を獲得できます"


"ではご武運を"


「賞金5000万?聞き間違えじゃないよな?どういう事だ?」


眩しい光が俺を包み込み目を覚ますとそこは広い平野だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る