第9話 柊鈴子3

携帯けいたいアドレス交換こうかんから1日たった放課後、ひいらぎ鈴子すずこ17歳と神城かみしろ優馬ゆうま17歳はっているとうわさされていることを知った。


なんでこうなった?


携帯のメルアドと番号交換ばんごうこうかんすることで交際こうさいはじめたとうわさされている?


可笑おかしいだろう?


あいつのせいだって!?


交際宣言してないし!


神城優馬かみしろゆうまは今まで携帯の番号にメルアドを教えたことが無いようで俺が初めてらしい、もしかしたらそれが原因かもな。


あんなにあっさり教えるから皆、知ってると思うし。


「鈴子ちゃん皆、俺たちのこと付き合い始めたって思ってるからさ本当に付き合っちゃう?」


「やめろ、この時点で私は、この高校の女子全員から嫌われたのに本当に付き合ったら呪われるだろうが!」


「何言ってるんだよ俺も、この学校の男子皆から嫌われたぞ」


「なんで男子が神城を嫌う必要があるんだ?」


なんだ鈴子ちゃんはおとこたちのアイドルだって自覚じかくないのか、そう言うところ好きだな。


「いいから、付き合おうぜ何時いつ一緒いっしょなら何かあったとき、対応できるだろう?」


「まあ、いいけど」


「今日から送り迎えするからな」


鈴子は返事はしないがニッコリ笑顔で返した。


なんかスゲー可愛かわい、マジ好きになりそうだ。



神城かみしろ優馬ゆうま俺の中には神だと名乗る詐欺師さぎしがいる!


神様を詐欺師さぎしばわりするか?


悠馬ゆうまに小さな神罰しんばつあたえた。


神罰って何だよ!?


返事、ないのかよ!


無事ぶじに家までいて油断ゆだんしたころ小さな神罰がやってきた。


「おかえりなさいユウ君」

ドン ガシ ドシン


「ギャー」


俺に母さんがきついて、俺を抱きしめたいきおいで俺は尻餅しりもちをついていた。


これが神罰しんばつ地味じみに痛いぞ。


しり湿布しっぷると痛みがやわらいだ。



神城かみしろは、代々だいだいかみすままわれる土地1万坪つぼ衣食住いしょくじゅうおこない神をまつる職業にいている。


だからと言って神社じんじゃとか、おてらとか沢山たくさんあるが、うちまつり方は少々しょうしょうちがう。


ある年がくると次期じき当主とうしゅ身体からだに神が宿やどる、勝手かってに宿って支配しはいしようとするのだ。


千年前、九尾きゅうびきつね対神城かみしろ当主とうしゅ紳郎しんろうとのたたかい、が始まりあた一面いちめん火の海になり紳郎は願った。

土地とちかみ龍虎りゅうこよ、我に、そなたの力を貸してくれたら夫婦ふうふになるぞ。


土地神とちがみ龍虎りゅうこから熱烈ねつれつ恋文こいぶみが毎日、とどけられていたが、返事はしていない。


土地神である龍虎は人間より長生きで紳郎は普通の人間より長生きだが、それでも先に死ぬのだ。気持ちはあったが返事は出さなかった。


かみなりひび地割じわれがおきて地下からは溶岩ようがんがあふれ出した。


住民達は避難して、その場にいないので良かった。


紳郎は最後を覚悟し、もうだめかと呟き、最後の言葉を龍虎に残した。

「さらば龍虎、息災であれ」


その時、物凄ものすごいきおいの龍虎が紳郎めがけて飛んでいった。


のちの話で光の光線のようだったよ、と皆が話していた。


2人は力を合わせ九尾の狐を神社に封印して。土地神とちがみ龍虎りゅうこと結婚し子供もできた。

200年後、紳郎は亡くなり龍虎は遺言のとおり薄れていく血縁けつえん関係かんけいのせいで昔ほど強くない神城家の守護神しゅごしんになっていた。


優馬に最近彼女ができたと聞いたが本当なのか?


「なぜ知っているんだ。八咫烏やたがらすから聞いたのか?」


八咫烏は自分の無実を語りだした。変な日本語で話し始めたら。


「わたし、むじつね、なにもしらないね、しんじてほしいね」


なんか変なしゃべくり始めたらうそをついているんだ。


「八咫烏お前、変な喋しゃべり方してるから嘘だな」







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