第6話 この国の王太子6


執事セバスチャンと侍女マリーはジャンヌが幼少ようしょうの頃から、いたので家族のような気持でいます、ですがそれを口にすれば不敬になるので黙っているのです。


「「私達2人は、お嬢様を、お守りするため隣国りんこくまで、おともいたします」」

2人はハモっていた。


心強い味方がいた。お父様からもゆるしをて隣国エベレス国に旅立たびだちます。



ジャンヌ公爵令嬢こうしゃくは、こちらにいて、そのまま城にまねかれ、アーチボルト王太子殿下おうたいしでんか謁見えっけんで、お会いするのは家族と食事をした後と決まりました。


王様が気をつかってくれたのです、今日からしばらくの間お父様お母様とは会えません、執事しつじセバスチャンと侍女じじょマリーは、これから私が使う部屋の掃除そうじ片付かたづけ昼食の用意で大忙おおいそがしです。


私が心配で両親も宰相もこっそりエベレス国に来ていたのにはビックリです、それも私達より早く着いていたので、お城に着いたら出迎でむかえていたのです。


部屋の掃除そうじ片付かたづけが終わった。と言うので部屋の中を見ると壁紙かべがみの色はペパーミントで、窓から見える景色けしきはエメラルドグリーン色の海に大型船おおがたせん優雅ゆうがに南に進んでいる風景が絵画かいがのようです。


とても美しいので、しばらくのあいだ見惚みほれていました。



今、昼食中ちゅうしょくちゅうです。アーチボルト王太子殿下の姉達で他国に嫁がれている2人も顔合わせなのでおられます、長女20歳シャリー王女はデェイツ国、ハンカーチリ王子と結婚されて、次女19歳エイミー王女はこの国のカモンディ公爵長男ゴゴチャーリ公爵令息と結婚されています。


ハンカーチリ王子とゴゴチャーリ令息、2人ともいます。


18歳ジュリアン王女まだ独身です、17歳双子ふたごアイリーン王女にマーガレット王女も独身です、良い方が、おられましたら、ご報告ほうこくおねがい、いたします。



見覚みおぼえのない侍女が小瓶こびんに入っていた液体をコーヒーに入れて粉末ふんまつの白い粉をクッキーとケーキにかけていた。その報告書ほうこくしょが届きました。


液体えきたい媚薬びやくで粉は睡眠薬すいみんやくか・・・・・・。飲まなくて良かった。


ジャンヌがあの日、教えてくれたから助かった。


侍女はやはり偽物にせもので次の日には安宿やすやどの部屋で死んでいたのか 溺死できし・・・・・・殺しか!

ジャンヌは気になって思わず聞いていた。

報告書ほうこくしょには何と書かれていましたか?」


彼女には聞かせたくないが話さないと疎外感そがいかんを感じるだろうな。

「コーヒーには媚薬びやく混入こんにゅうされていた。クッキーとケーキには睡眠薬すいみんやくが発見され。偽物侍女にせものじじょは安宿の部屋で溺死できししていたようだ。」


口封くちふうじですか、かわいそうに」


エイミーが質問をしてきた。

「お父様、媚薬ってなんですか?」


王様は、一瞬固まっていたがどうしたら良いか考えた。今ここでなぜ質問するんだ。アタフタしている。


ジャンヌも質問が気になっていた。

「私も知らないです、教えてください」


「あっ、そう言うのは王妃、君が説明したほうがいいかな?」


「何を言っているのですか?こう言う話は年が近いアイリーンでは?」


「えー私も知らないわよ、殿方とのがたが、ご存じでは?ハンカチーリ義兄様」


「いやー僕は、ゴゴチャーリなら案外ご存じかな?」


ジャンヌはひらめいたセバスチャンとマリーなら知っているかもと。

「セバスチャンなら知ってるわよね?媚薬びやくって何かしら?マリーでもいいわ教えて」


「「申し訳ございません用事を思い出しました」」

こんな時もハモって逃げ出す。


そして誰も、いなくなった。








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