第5話 この国の王太子5



婚約期間こんやくきかんは2年間、終わり次第、結婚式に新婚旅行と決まった。と、わたくしの、お父様が説明されました。


ジャンヌ公爵令嬢こうしゃくれいじょうは男性のように髪は短くカットしていて、男性が着るタキシードや燕尾服えんびふく普段着ふだんぎはスーツを着たりしているなんて信じられない。


2年間で愛情あいじょう芽生めばえるかしら?無理ね。


私は、このエベレス国のクリスティーナ・スコープドッグ公爵令嬢こうしゃくれいじょうです。

幼少ようしょうころから、この国のアーチボルト王太子おうたいしと結婚して、この国の王太子妃おうたいしひになるため努力をしてきました。


それなのに他国の、公爵令嬢と婚約するなんて信じられない、あの女が何かきたな使つかったにちがいないのです。



ジャンヌ・ウォーカー公爵令嬢こうしゃくれいじょうの私が普通の男性のように頭髪を短く切ったり、紳士服を着たりするのには事情があります、持って生まれた。この容姿ようしがいけないのです。


子供の頃から美しいからと誘拐ゆうかいされそうになったり、護衛ごえいをつけていたのですが、その護衛ごえいに誘拐されて売り飛ばされそうになったり、結局けっきょく、自分で身を守るしかないと気づいたのです。


男性のような髪型かみがた服装ふくそうに変えてから誘拐はへりました。男装を始めると女性のファンが多くなりそれは、それで迷惑めいわくしています。


こんな格好をしているし、まともな男性には求婚きゅうこんされないだろうとあきらめていましたがアーチボルト王太子殿下おうたいしでんかい婚約に結婚が決まったのです。


あの方と夫婦になれるなんて幸せです。


後2年の辛抱しんぼうです。





プライベートルームでお茶を飲んでいると両親がエベレス国リチャード王様から届いた手紙を見せられました。


「ジャンヌ公爵令嬢にエベレス国でらしてくれないだろうか?そう書かれておるのだが、ジャンヌはどうしたい?」


あんなに素敵な方ですもの、私が近くで見張ってないと婚約が決まったと喜んでいる場合ではありません。

「願ってもない、お話です私は行きます」


良かったわ、これでいつも一緒にいられる。


今日中に行きたいから、お父様に相談してみようかしら?許してくださるかしら?今から直ぐに出たら夜中には着くはずよ。


私は家族専用リビングに向かい一応、相談しました。


「何を言い出すの今から行っても着くのは夜中よ絶対許しません、明日朝、出たら、お昼にはくわ丁度ちょうどいいでしょう?」


「それでは遅いのです」


「旦那様、何か言ってください娘がこんな時間から出かけると言うのですよ」


お父様は、またかというような表情で私を見て話された。


「執事セバスチャンと侍女マリーを連れていくなら許すぞ、この2人なら100人位楽勝で殲滅せんめつするだろうから安心して送り出せるどうする? 」


セバスチャンにマリーは、お父様が戦災せんさい孤児こじだった2人を引き取って育てたのよね。本当に連れて行けるなら仕事は、できるし、この2人なら安心して護衛を任せられるわ。

 

「お父様、本当によろしいのですか?」


「構わんよ、お前の身を任せられるのはセバスチャンとマリーだけだ」


「お父様大好きです」父親が座ってるソホァに座り抱きついた。


公爵は嬉しいのと娘が隣国エベレス国、王太子と結婚すると話したときは驚きさびしい気持ちでいっぱいでした。男装だんそうを始めたころは一生我が家で暮らせばいいさ、と妻と話していたが隣国のアーチボルト王太子殿下を伴侶はんりょに決めたと聞かされた時は皆で喜んだよ。


幸せにな。











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