(二)-14
彼らがこれから買うと思われるクリスマスプレゼントの金額や、銅貨とともに募金箱に落ちたレシートに記載されている金額と比べたら、彼女が募金箱に入れた金額は、取るに足らない程度のものだ。しかし、そんな彼女にも、善意はあった。確かにあったのだ。それはとてもとても希少で、かつ、とてもとても貴重なものだとも思う。少なくとも彼女と一緒にいた男性や、私たちのことを無視するかのように目の前を通り過ぎていく人たちからは善意をわけてもらうことはできかった。
だからそんな彼女の背中に、私と綾音ちゃんは、大きな声で彼女の背中に感謝の言葉を投げた。
(続く)
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