(二)-13

 それには気づかずに、女子大生は笑顔も私たちにくれた。そして男子大学生に組まれた腕に引っ張られながら「ねぇえぇ、ティファニーに連れて行ってよぉ」と甘い声で甘えながら、彼女は立ち去っていった。


 私たちが集めたお金は、全額寄付している。寄付先は貧困家庭や母子家庭、父子家庭などに食料を配ったり制服代を出したりするなどの支援をしている団体に対してであった。

 集められる募金の総額は毎回そう大きな金額にはならない。善意を集めるという代表の千曲さんの言うことは最もではあるものの、では貧困家庭の支援に十分な金額かと問われれば、正直言って、全く足りていないと思う。


(続く)

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