スピンオフ
と私が納得している
「まず酢マホのスペックですがC、B、A、特Aとランクが上がっていき、当然ですが上位ランクにいけばいくほど発動出来る魔法が増えます。但し、市販の酢マホはCランクとBランクまでしかありません。そしてライセンスの等級もC、B、A、特AとあってC級ライセンスだとCランクまでの酢マホ、B級ライセンスだとBランクまでの酢マホが使えるというようになっています」
「えっと、つまり特A級ライセンスがあると全スペックの酢マホが使用可能で、普通に買える酢マホはCかBだからライセンスも普通ならBまでを取得しておけばいいって感じですか?」
「概ねその考えで合っています」
なるほど。
「となると一般的というか一般人だと酢マホを買う時はBかCをハイスペックかロースペックか基準で選ぶって感じですか?」
というドク口の質問に。
「まあ、そうですね。もちろんC級ライセンスの人はCランクしか選ぶ事が出来ませんけど、あとは値段やデザインで選ぶ人も中にはいるって感じです。勿論シンプル且つランクが低い物がお安くなっています」
「へぇー。って事はデザインも豊富なんですか?」
とは思えないがな? 今のところスマフォっぽいヤツしか見た事がないぞ?
と疑問を抱いていると。
「ん~豊富って程じゃないですけど一般的なのがスマフォ型と呼ばれるやつで、その他にはガラケー型や男子100m自由形、あとは男子100m不自由形とかが人気ですね」
「いや男子100m自由形って水泳じゃないんだがら。まあ、どんなデザインか知らないですけど……」
と、ガイコツのクセにドク口が頬に汗を垂らしているが――こいつどこに汗腺があるのだ? やはり見えていないだけで肉体があるのかこいつ?
っとウンコをした後にケツを拭き忘れるくらいどうでも良い事を考えていると。
「えっと、じゃあAクラスや特Aクラスの酢マホはどうやって手に入れるんですか?」
とドク口が質問を続けると竹中。
「はい。実はAクラス以上の酢マホはダンジョンに潜ってモンスターを倒すと、稀に飛翔能力の高いおじいさんがくれたりします」
「どういう原理ッ!?」
「え? いやたぶん魔法を使って空を翔んでいるんじゃないですか?」
突然これを言ったのは私だ。
「いやおじいさんが空を翔ぶ原理を訊いているんじゃなくて、なんでモンスターを倒したらおじいさんが酢マホをくれるのか訊いてるんです」
なんだそっちか……ウンコをした後にズボンを穿き忘れるくらいどうでも良い質問だな? っと私が考えていると竹中はハニカミながらも律儀に答える。
「あ、今のは冗談で本当のAランク以上の酢マホは、まだBランクとCランクに振り分けられる前の魔法がインストールされている――いわゆる開発者用の非売品の酢マホです。まあ別の言い方をすればまだ世に出ていない魔法をインストールした最新式の酢マホって事です」
「なるほど開発者用のだから非売品なんですね。ってなると特Aクラスはどうなるんですか? そもそも特Aライセンスを持ってる人が5人しかいないんですよね?」
これに竹中は目礼を挟み。
「その通りです。ですのでその5人が持っている、その5人だけが持っている自分専用の酢マホが特Aランクとなります」
「じ、自分専用って何が違うんですか?」
すると竹中は右手の人差し指を突き立て。
「簡単に一言で言ってしまうと世に出回っていない魔法どころか、自分で開発した魔法を――つまり世界でまだ自分しか使えない魔法がインストールされている酢マホ……その酢マホを所持する事を許されている5人が特A級、特Aランクという事です」
「世界でまだ自分しか使えない魔法っ! カ、カッコイイ~! 竹中さんそんな事出来るんですか?」
アホな質問してるなこいつ? っと私は真冬に便座をキンキンに冷やすのが趣味な雪女より冷ややかな視線をドク口に送る。
そもそも竹中は私とお前を召喚するガチャ魔法を開発してたんだぞ? それがまだ試験段階だった時点でこの魔法を使えるのは世界で竹中一人だというのは明白。つまり竹中が「世界でまだ自分しか使えない魔法」を酢マホにインストールしてるかどうかは別として、所持だけはしているのは昨日の段階で私達は知っていただろうに? 全く……ウンコをした後にトイレから出忘れるくらい間抜けな質問だぞ?
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