第2話 力

この世界には魔法というものがある。魔法は己の持つ属性と魔力を正しく行使することで発動することが出来る。

また属性は八つある。

炎・水(氷)・土・風・雷・光・闇・無

この八つの属性は生まれた時に授かり、それぞれの属性によって使える魔法は異なる。


しかしこの世界には魔法とは別に7の力があった、それはかつて邪神がこの世界を恐怖に落としいれた時に、ある一人の男が使い邪神から世界を救った。

その名も…


       「七つの美徳」

 正義・慈悲・忍耐・知識・救恤・節制・純潔


この七つの力はそれぞれに能力があり、英雄はこの七つの力で邪神を滅ぼした。英雄は邪神を倒したことで邪神の力も手に入れた。だが誰もそれを知る者はいない…。


この英雄の力は今もある、その力達は探すこの力を持つにふさわしいものを………。




それから王都に出向いていた両親が帰ってきて、喜んでくれるかなと思っていたが、「やっと起きたか」とだけ言われ、思いの外ロイドの、心が傷ついてしまった。


幸い今は夏休み期間らしいので俺はあれからずっと魔法や剣術の練習をしていた。

そして気付いてしまった。

「こいつまじて弱すぎ」

俺の頭の中にはロイドの記憶もあるので魔法の発動には困らなかった。しかし、このロイドというやつは炎と闇の属性を持ってはいるが魔力量が少ないせいで行使は出来るが使える魔法に限りがあった。

ロイドの持つ闇属性はとても珍しく10万人に1人という割合らしい。

闇属性の魔法の本質は『吸収』、そのため術者本人の魔力量が少なくても相手の魔法の魔力を吸収することで魔法の威力を高めることができる。

闇属性の魔法は威力が弱い下位の魔法でも他の属性魔法に比べて威力が高いこれをロイドは自分の実力が高いと感じてしまって傲慢な性格になってしまっていたのかもしれない。

「もっと魔力量を増やさないとな」

魔力量を増やすには自身の魔力が完全につきる経験を重ねることで増えていく。

「やるしかないか」


あれから2週間程がたった、俺の魔力量は以前からかなり増え、前の2倍ほどの量になった。もとの魔力量が少なかったせいなのか自分でもびっくりするぐらい増えた。

すると使える魔法も少し増え簡単な中位の魔法が使えるようになった。日に日に魔力が増え出来ることが多くなることが楽しく、朝に始めたらいつの間にか日が沈む時間になっていることもしばしば、本当に今のこの瞬間が楽しくいつも笑っていた。

そして使用人達もそんな風に俺が頑張っているところを見て少しずつ心を開いていけるようになった。


そうしてそんな毎日を1ヶ月続けたある日の夜、まだ知らないロイドの記憶が頭の中に入ってきた。

『どうして、どうして、どうしてッ!、どうして誰も認めてくれないんだ、俺がなにしたって言うんだ。』


悪夢うなされたような気がした、

『…………ロイドは…」








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

七つの美徳と七つの大罪 異世界に悪役貴族として転生し主人公ポジを黙らせます。 @zingRhaphael

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ