小説サンプル5(掲載許可済、ご依頼)
大学終わりの帰り道。彼女は、ランドセルを背負った少年が、彼と同じくらいの年頃の少女の腕を強引に引っ張っている現場を目撃した。少年は、少女を逃がすまいと、今にも折れそうなくらい細い手首をガッチリと掴み、離さない。その光景は異様なもので、年こそ同じくらいに見えたものの、今にも転びそうな歩き方をしている少女の表情は恐怖に染まっており、助けを求めているようにも見えた。
「何をしているの!」
彼女は迷うことなく走り出した。二人の間に割って入り、少年の腕を掴んで少女から引き離す。怒気を含んだ声に、少年は一瞬怖じ気づいたが、すぐにその表情を怒りへと変化させた。
「邪魔するなよ!」
少女の目尻には涙の跡があった。恐怖に染まった表情は今もそのまま、ただじっとこちらを見ている。
「無理やり腕引っ張って、どこに連れていくつもり? 嫌がってるじゃないの」
彼女は少年を睨み返すと、少女を守るように立ち塞がった。
「なんだよ! じゃあお前が代わりになってくれるのかよ!」
少女の肩がビクッと跳ね上がる。これ以上、この場に留まるのは危険だと感じた彼女は、少女に向かって優しく声をかけた。
「大丈夫? 彼とは私が話をつけるから、あなたは先に帰りなさい」
少女が足早に立ち去るのを見送ると、彼女は再び少年に目を向けた。
「あなた、最低ね」
「うっせえ!」
生意気な少年は、彼女のバッグを掴むと、それを強引に奪い取った。彼女は慌てて手を伸ばすが、届かない。素早く駆け出し路地裏に逃げ込んだ少年は、その奥へと姿を消した。
「ちょっと待ちなさい!」
彼女も少年の後を追って、路地裏へ駆け出した。遠くの方で、勝ち誇ったような耳障りな笑い声がする。
「ははは! 追いつけないだろ! 俺はクラスで一番足が速いんだからな!」
「待ちなさいって言ってるでしょ!」
「お姉さんが俺の言うこと聞くってんなら、バッグは返してやるよ!」
「はぁ……はぁ、誰が……あんたの言うことなんて!」
言い返したものの、呼吸は次第に乱れていく。心拍数が上がり、酸素がうまく回ら図、口の中が渇いていく。前を行く少年の姿は遠ざかり、距離は開いていく一方で、縮まる気配は無い。
「も、もう無理……」
遂に走る足は止まり、彼女はその場に崩れ落ちた。心臓の鼓動が、痛いくらいに高鳴っている。酸素を求めて喘ぐように息をするが、一向に楽になる気配はない。
「俺の言うこと、聞く気になった?」
路地裏から姿を現した少年は、愉快そうに顔を歪める。息苦しさと疲労感で、これ以上反抗する余裕など、ある訳もなく……。屈辱的ではあったが、彼女は、首を縦に振ることしか出来なかった。
「ははっ! じゃあこれからは俺の言うこと聞くように!」
少年は勝ち誇ったような笑みを浮かべながら、彼女の顔を覗き込もうとしゃがみ込んだ。
「それで、どうすればいいの……?」
彼女の問いかけに、少年はより一層いやらしい笑みを浮かべる。
「おっぱい、触らせろ!」
「は、はあ⁈」
あまりにも唐突で、予想外の少年の言葉。彼女は、呼吸を整えるのも忘れ、思わず声を荒げた。
「あ、あんたねえ!」
息を吸おうとする度に痛む肺。これ以上こんな屈辱を味わえるかと、反発すると、少年の表情がスッと冷めた。
「バッグ、返して欲しいんだろ? それとも、また追いかけっこしたい訳?」
「っ……」
返す言葉も出なかった。万全の状態で、もう一度彼を追いかけても、きっと勝てはしないだろう。それならば……。ゆっくりと深呼吸をして息を整えると、彼女はその視線を少年に向けた。
「……分かった。あんたに従う」
「やったー!」
「但し、約束して。あんたの妙な好奇心で、他の女の子に危害は加えないって」
少年の表情が、先ほどよりもさらに嬉しそうに歪む。ただ胸を触りたいだけの少年から見れば、彼女の存在は好都合。嬉々とした少年の表情に、彼女は、自分がとんでもない選択をしてしまったと悟ったが、もう後戻りはできない。
「わかったわかった。約束する。触らせてくれるならそれでいいし」
少年の手が、胸部に伸びていく。彼女は、反射的にギュッと目を閉じた。シャツを捲られ、ひんやりとした空気が素肌に触れる感覚に鳥肌が立った。
「これ、外して」
少年はブラジャーに手をかけ、外すように指示を出す。一瞬だけ躊躇うような素振りを見せたものの、彼女は素直に背中のホックを外した。
押さえつけられていた乳房が自由になると、少年の視線は揺れるその二つの膨らみの釘付けになった。小ぶりだが、丸みを帯びた綺麗な形の乳房に、少年は我慢できずに手を伸ばす。ずっと触れたいと願っていた、女性の豊満な乳房。性を意識し始めた少年の好奇心は、留まることを知らない。
「うっわ……。すっげえ……」
待望のその感触に、少年は恍惚とした表情を浮かべ、思わず声を漏らした。彼女は恥ずかしさに頰を紅潮させ、唇を強く噛み締める。少年の手が動く度に、彼女の体が小さく震える。重みの割に柔らかく、指はどこまでも沈んでいき、 小さな掌で収まりきれず、隙間からこぼれ落ちた。その柔らかな手触りと程よい弾力が、少年の心を掴んで離さない。
そして何より、顔を真っ赤にし、目を固く閉じている彼女の表情が少年を煽った。柔らかな感触を堪能しながら、少年は次第に強く乳房を揉みしだく。皮一枚越しに伝わる体温が、全身を熱くさせた。指先と掌を擦るようにして乳房を動かす。その感覚に飽きることはなく、揉みしだいては満足げな笑みを浮かべている。
「もういいでしょ? こんなところ、誰かに見られたら……」
彼女は耐えるように眉根を寄せながら少年に訴える。
「まだだ! もっと揉ませろ!」
掌で胸の形が変わる様を楽しむように揉みしだくと、だんだんと指先に引っかかるような感覚があった。
「へえ、ここは硬いんだ」
そう言いながら突起した先を押し潰し、指先で転がす様に弄ぶ。突起した先を弄ぶ様に引っ張ると、硬くなるのがわかった。
「すげえ、めっちゃ尖ってる……」
「や、やだ1 やめなさいよ!」
その感触と、彼女の反応が面白くて更に虐めたくなる。薄ピンク色のそこを引っ張る度に身じろぎ、揺れる乳房が堪らなくいやらしい。
「っ! もう終わりよ! 充分でしょう⁈」
少年の手を振り払うと、彼女は立ち上がり、少し距離を置いた。その顔は羞恥からか紅く染まっている。心なしか、彼女の呼吸も乱れていた。
「なんだよ。ケチくさいな」
ブツブツと呟きながら立ち上がると、少年は、彼女の胸を見る。相変わらず柔らかそうで形の整った綺麗な乳房が、呼吸に合わせて上下している。
一度だけでは、満足できない。どうにか彼女を引き止められないかと考えて、少年はよからぬことを思いついた。
「ま、いいや。返してあげる」
そう言いながら、少年は彼女のバッグから免許証を抜き取ると、それをポケットにしまい込んだ。
「わ、私の免許証! 話が違うじゃない!」
「バッグは返してあげるよ。でも免許証はダメー! 返して欲しけりゃ、明日もおっぱい触らせることだな!」
少年がケラケラと嗤う。彼女が睨みつけると、少年はバッグを彼女の足元に落とし、そのまま路地裏へと逃げ出した。
「免許証を返して欲しかったら、明日も同じ時間にここに来るんだな!」
「ちょっと! 待ちなさいよ! ……嘘でしょ?」
きっと明日も、彼女は少年の言いなりになる他ないのだろう。彼女はその場から動くこともできず、小さくなっていく背中が見えなくなるまで立ちすくんでいた。
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