第7話 ……エッチなことに決まってるじゃん

「あの~、入っていいかな……?」


 コンコンとノック音が聞こえると、どことなく震えている加奈の声が聞こえた。


「自分の部屋に入るのに許可が必要なのかお前は」


「そうじゃなくて……お姉ちゃんは準備できてるかなーって」


「私は大丈夫だよ~。あとは加奈次第だからね~」


「うーっ……私はまだ心の準備がぁ……」


「なんの準備だよ」


 2人の会話を聞いて、俺の顔は段々と歪んでいく。

 今から何が起こるか全く見当がつかない。

 お礼をするという名目で呼ばれた以上、いいことには違いないはずだけど、それでも不安は残る。


「……何をするつもりだよ」


 引きつる俺の顔を見た水瀬は不快な笑みを浮かべると、


「捕まえた!」


 と、俺に抱き着いてくる。


「ちょ! いきなり何するんですか⁉」


 腹部に当たるやわらかい感触、そしてほのかに香るシャンプーのいい匂い。そして、美少女に抱き付かれているこの状況。


 すべてに動揺している俺だが、そんなのお構いなしに水瀬は続ける。


「ほら加奈! 壮馬くんを動けなくしたからヤるなら今だよ!」


「えぇ~……私はまだぁ……」


「こんなチャンス今しかないよ⁉ これ逃したら終わるから!」


「なんのチャンスですか!」


 2人の会話を塞いで絶叫する俺。

 なんか命の危険を感じるぞいろんな意味で。

 脱出しようと体を揺さぶって振りほどこうとするが、必死に抵抗する水瀬。


「早く!」


 水瀬が叫んだ刹那、ゆっくりと部屋のドアが開く。


「お……お前……」


「ヒュ~。加奈可愛いじゃん~」


 ドアにもたれかかりながら、静かに部屋に入ってきたのは、下着姿の加奈。

 赤のレースのブラに、色気が滲み出る透けているショーツ。


 それに包まれた加奈の綺麗な体、くびれがしっかりと出ているし、白くハリのある谷間。

 スラっと伸びる足。

 動揺しながらも、そんな加奈に俺は見惚れていた。


「綺麗だ……」


 思わず口を開いてしまう俺。

 初めて女子の下着姿を見たからか、感想はそれしか出てこない。しかし、最高の褒め言葉には変わりない。


「お、お礼……するから……壮馬も準備しなさいよ……」


 赤面しながら胸を腕で隠すが、抑えられて強調された谷間がさらにエロさを増している。


「お礼って……まさか……」


 ゴクリと生唾を飲む俺に、


「もちろん……エッチなことに決まってるじゃん」


 水瀬は俺の首筋を舐め上げ、耳元でそう囁いた。


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