第21話 真実

 目を開く。

 その瞬間、ウチとカヤチは鏡越しで目が合う。


 カヤチは目を見開き、驚いたような表情でウチを見る。


 唯「え、何?どうしたの。ウチの後ろに何かい…」


 カヤチがウチを触ろうとしたけど、フッとカヤチの腕がウチの体を貫通していく。


 茅「貴方が…私に取り憑いていたんですか?」


 唯「え…、何言ってんの。これまで何回も話してきたで…しょ…。」


「…………」

 あの時だってそう。


 茅(全然お客さん来ませんねぇ。)


 花(こらこらそんなこと言わないの。)


「…………」

 あの時もそう。


 茅(そろそろ夏休みですね。今年は2ヶ月半です。楽しみですね。)


 花(ふーん、テストはどうだったの。)


 お母さんが急に元気が無くなったのは…、いくらお母さんに話しかけても話してくれなかったのは…。


 私は死んでたんだ。


 段々思い出してきた。私の死ぬ前の記憶。忘れようとした記憶が。

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