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私は全く内容を読めていないのかもしれませんが、感じた限りの中でも、「僕」が無言の内に抱えていた重量の果てしなさを考えると胸が詰まります。
ツェツィーリエの兄と僕の位置が空間ごと捻れていくような感覚が恐ろしく、また凄かったです。
最後の「置いて」が予感に答えを与える鍵となっているような、そんな気がしました。
作者からの返信
一縷 様
いつも拙作をお読みいただき、本当にありがとうございます。
また、お褒めのお言葉をいただき、まことに光栄です。
このお話は、遠景をマクロレンズで撮影したような、とにかく漠然としたお話だったと思います。
それだけに、読者様の解釈にかなりの部分で乗っかっているところがあり、「読めていないかも」という不安を抱いてしまうことも無理からぬことと思います。
また、その分だけ、一縷さんの垣間見せてくれたご解釈に触れることができ、作者として大変うれしくも思っております。
今後とも変わらぬご交誼のほど、よろしくお願いいたします。
最後まで読み切ったあと、もう一度読み返させていただきました。
『際目』というタイトルと、最後の『置いて』という言葉の意味を踏まえて二度目を読むと、漠然と細密な言葉で描かれた語り部の心の内が意味を持って立ち上がってくる。そんな感覚がありました。美しい造形のお話でした。
作者からの返信
揺井 様
いつも拙作を丁寧に読み解いていただき、まことにありがとうございます。
今回のお話に込めた言葉の微妙なニュアンスを、的確に汲み取っていただけたことを大変嬉しく思います。
実は昨年来、存在論的な思索に凝っておりまして、その観念遊びが拙作にも少なからず反映されてしまっているのが現状でございます。「置いて」という言葉選びにも、その影響が垣間見えていたかもしれません。
また、本作を通して一貫される曖昧な語り口は、読者に読み進めることを辛くさせるのではないかと危惧しておりましたが、それにもかかわらず、二度もお読みいただけたとのこと、まことに光栄の至りでございます。
今後とも変わらぬご交誼を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。