第33話 ナドレアの戦い②
正暦1011年10月22日 ラティニア共和国北東部 ナロウズ海外州ナドレア地方
「突入せよ!」
低地に広がる都市の郊外を、数十両の戦車が突き進む。ノルデニア陸軍第4騎兵師団に属する戦車連隊は、後方に大隊規模の歩兵戦闘車を引き連れながら、ナドレア地方の市街地へ迫ろうとしていた。
「前方より、敵戦車団接近!」
「狼狽えるな、応戦しろ!」
命令一過、田畑の水路やボカージュに身を潜めていた歩兵達は一斉に、無反動砲と対戦車ミサイルを発射する。その数は膨大であり、瞬く間に数両のPz-90戦車が被弾。黒煙を上げながら停止する。
「やった!」
「退避急げ!後退し―」
小隊長の一人が叫ぶも、直後に125ミリ砲弾が着弾。爆発とともに吹き飛ばされる。さらに後方に控えていた歩兵戦闘車からは、歩兵が次々と降車して現れ、上空を飛翔。新たな防衛線へ後退を進めていた歩兵に対して鉛玉の驟雨を浴びせかける。
「逃がすな、徹底的に叩け!」
「空はすでに我らの手の中だ!空軍に面倒な敵を任せつつ、前へ進むぞ!」
『了解!』
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