XIX. 虹色旅団の凱旋

 鎮魂歌が終わる。

 サニタ王は叫んだ。


「英雄たちの凱旋だ! 皆、感謝と敬意を示せ!」


 カーン カーン カーン カーン


 大聖堂から弔いの鐘の音が響く中、棺を乗せた馬車がゆっくりと動き出す。


 「ありがとうー!」「ユウヤー!」「ありがとねー!」


 王都の人たちの声が響いた。

 私はクレア姫に支えてもらいながら、ユウヤとともに歩く。


 顔を上げた私の目に、色とりどりの花びらと紙吹雪が舞っている王都の姿が映る。

 種族間の融和を象徴する七色の花びらと紙吹雪。

 これらは私たちを示しているのだ。


 ねぇ、見てユウヤ。

 王都中の人たちが『虹頭にじあたま』の私たちを歓迎してくれているよ。もう指を差して笑うような人はいないよ。

 ほら、はぐれオーガのバルガスも冒険者ギルドのひとと握手している。

 あっ、魔族の私にお花くれるの? ありがとう!


 これがユウヤが見せたかった景色なんだね。

 美しい、とっても美しいよ。

 ユウヤにも見せてあげたかったな。


 カーン カーン カーン カーン


 こうして弔いの鐘の音が鳴り響き、色鮮やかな花びらと紙吹雪が舞い散る中、私たち『虹色旅団』は王都に凱旋したのだった。



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