XV. 旅の終焉

 私たちによる邪竜討伐は、魔法の伝書鳩などによって瞬く間に世界中に知らされることとなり、私たち『虹色旅団』は世界を救った英雄となった。


 あれから数日、ようやく王都に帰還した私たち。

 そして今、王都での凱旋パレードが始まろうとしている。


 王都の門に近づくと、街道脇に並んだ騎士たちが姿勢を正し、剣を掲げた。騎士たちによる最も敬意を表する敬礼だ。

 その間をゆっくりと進んでいく私たち。

 門をくぐって王都に入ったところで歩みを止める。


 多くの住民たちが大通りに並んでいる。

 大通り沿いの建物からも、みんなが身体を乗り出してこちらを見ている。

 誰も声を上げず、静寂の空気が王都を包んでいた。


 私の頬を涙が伝う。

 もう我慢できなかった。


「ねぇ、ユウヤ。みんながユウヤのことを思って


 私は声を震わせながらそう言って、馬車の上の棺をそっと撫でた。



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