VI. 鍛冶を極めし者
邪竜討伐の旅が始まった。
過酷な冒険や困難な試練が続く中、私たちは少しずつ力をつけていく。
赤い髪・片腕のドワーフのダノは、鍛冶のできないダメドワーフとして、鉱山の街で虐げられていた過去がある。
それを知ったユウヤは、片手でも鍛冶ができる特殊な鍛冶道具を発明。元々極めて高い鍛冶技術を持っていたダノは、仲間たちの高品質な武器や防具を次々に作成していった。
旅の途中で鉱山の街に立ち寄った私たち。ダノに浴びせられる侮蔑の視線。
しかし、街のドワーフたちが驚嘆した私たちの素晴らしく高品質な装備品が、ダノの手によって作られたものと分かると、街中が大騒ぎになった。
その出来に驚いた鉱山長がある一本の錆びついた剣をダノに差し出した。
「ワシならできる。小僧、待っておれ」
ドワーフたちの鍛冶の腕をもってしても、長い間誰も復活させることができなかった聖剣を、ダノは三日三晩休む間もなく鍛え続け、そして見事に復活させることができたのだ。
その功績により、降臨した鍛冶の神より「
新たなドワーフの指導者の誕生に湧き上がる鉱山の街だったが、ダノは指導者になることを拒否。ユウヤとの旅を続けることを選んだ。
「ワシがいなかったら、その武器や防具をどう整備するつもりだ」
ニヤリと笑うダノは、何の未練も無さそうに鉱山の街を後にした。
頼りになる鍛冶職人との旅は続く。
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