閑話休題 とあるマネージャーの憂鬱
私は今年から鷹松商業へ入学した新入生。中学校ではソフトボールをやっていたんだけど、高校ではスポーツをやるつもりはなかった。そんな中で一緒の中学校でソフトボールをやっていた由美ちゃんに、野球部のマネージャーを一緒にやろうって言われたんだ。悩んだんだけど、特にやりたいこともなかったから軽い気持ちで入部しちゃったんだ。
「朝早いのしんどい。辞めたいよ」
「確かに大変だけど、もう少し頑張ろ? マネージャーの先輩たちも優しいし、慣れてくれば大丈夫だよ!」
私が弱音を吐き、由美が励ますっていうのを大体週1回くらいやっている。私は割と本気だけど、由美はマジで優しくて、毎回励ましてくれる。由美やマネージャーの先輩、野球部員たちは優しく接してくれるのだが、ほぼ毎日朝練があるので本当に辛いのだ。
毎朝早いのも辛いのだけど、1番苦手なのはマネージャーが交代で選手たちにスピーチをしなきゃいけないことが本当に嫌なのだ。私は人前で発表することが苦手で緊張してしまうし、何を話したらいいのか分からない。由美ちゃんや先輩たちはしっかりとスピーチ出来ていて凄いと思う。でも本当に私には無理なんだ。
「由美はさ、皆の前で発表するの怖くないの?」
「んー、怖いか怖くないかで言ったら怖いと思うよ。でもそれ以上に成長に繋がると思わない? 調べてまとめることとかスピーチすることは将来やる場面が絶対あると思うし、調べる内容も栄養学とかストレッチとかトレーニングなんかはどこかで役に立つと思う。結局はたくさんスピーチして慣れていけば大丈夫だよ」
「わかった。なんでも経験積まないと良くはならないもんね。もう少しだけ頑張ってみるよ」
「美香はソフトボールとか学校の勉強も努力しててレギュラーだったり、学年上位の成績を取ってるんだから、努力すれば絶対できるよ! これからも一緒に頑張っていこうね」
「こちらこそ、また弱音吐くと思うけどその時はよろしくね」
「おっけーだよ。また相談してね! 選手権大会までもうすぐだから、私たちで選手を支えていこうね」
「うん。甲子園行けると良いよね」
「そのために皆も練習頑張ってるんだし、絶対いけるよ」
「信じて応援しようね」
「そうだね」
由美に励まされたし、選手権大会が終わるまでは頑張ってみよう。本当に甲子園行けると良いなー。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます