第8話 首脳陣会議

「今年の1年生は、目立ってる子が多かったですね」


「そうですね。天童のピッチングや佐久間兄弟の守備は、入部前からチェックしていましたが、より磨きが掛かってましたね」


「芝野も2打数2安打1本塁打で活躍していましたし、この4選手はAチームでも問題なさそうですね。中川や渡貫も緊張はしていたみたいですが、初実戦にしてはなかなかやれてましたね」


「今上げた4選手は次の練習から合流させましょうか。投手の2人はBチームでじっくり育てましょう。この代は天童がいますし、投手陣で切磋琢磨して欲しいですね」


「ところで速水はどうですか? 走塁でかなり目立っていましたし。それにポジションテストの時のアンダースローも鍛えたらなかなか良さそうでしたよね?」


「中学時代に野球をやっていないブランクがあるので、Aチームに合流させるか悩みどころなんですよね。ポテンシャルは元々高いと思いますし、身長が小さいなりの工夫をしているところも評価できます。でも天童の他にもなかなか良い素材の投手がいたので、今回は投手枠がなかったですね。アンダースローは面白い発想で良かったと思います。本人は足の速さを活かしたいと言っていたので、センターのポジションに落ち着きました」


「そうなんですね。確かに自分の長所を最大限活かせるポジションが良いですよね。選手権大会は守備・代走要員ならありだと思います。盗塁のスタートのタイミングは完璧ですし、なにより足も速いですから。守備はこれからじっくりチェックをしないといけないですが、今のところ堅実なプレーをしている印象があります」


「そうですね。速水もAチームで様子見しましょうか」


 監督・コーチの話し合いにより、速水を含めて1年生5人のAチーム入りが決まったのだった。

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