第5話 身体測定

 翌日、朝食を家族と一緒に食べている。まだ授業は始まらないが、身体測定がある。小学校低学年の頃は身長が伸びることが結構楽しみだったんだけどな。


「はぁ…」


「どうしたんだ?」


「今日は身体測定だから憂鬱なんだ」


「今はまだ成長期が来てないだけかも知れないぞ。私たちの遺伝子を継いでいるのだからまだまだ可能性はあると思うぞ」


「骨端線がほとんど閉鎖してるのに?」


「……すまん。でも背が小さくても活躍出来るって龍樹くんも言ってたじゃないか。背が大きくなっても、小さいままでもメリットはあるんだし、あんまり深く考えなくても良いんじゃないか?」

 

 父さんの言った通り深くは考えず、こればっかりはなるようにしかならないな。


「分かった。あんまり考えないようにするよ」

 

 朝食を食べ終わり学校へ向かった。

 

 教室へ着き、龍樹たちと雑談しているとチャイムが鳴った。


「昨日話した通り、身体測定をやるぞ。クラスによって動き方が違うからプリントをしっかりと見て行動するように」


 俺たちは4人で各所を回った。俺の身長は156.5cmと僅か0.5cmしか伸びていなかった。前川と福住は170cm代後半であり、龍樹に至っては180cmを超えていた。

「俺って周りから見たら子供に見えるんだよな」と独りごちった。

 ただ視力はとても良い。検査では2.0まで測れないが、2.0以上は確実にあると思う。これは素直に嬉しい。長所は潰さないようにしないとな。

 そして滞りなく検査を受け終わった。


 昼ご飯を4人で食べ、高校になって初めての練習へ向かった。

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