第26話 手を退けろ

「下着…… どうしよっか…… 私は全然いいんだけどね? 雪華はその…… 気にしないかなって……」


「い いえ! 私は気にしないです!」


「本当……?」


 雪菜が雪華の顔を覗き込む。


「私のでもいいよ……」


「ちょい! 雪乃!」



   †◇† †◇† †◇†



「んで なんでここで鍋食うことになってんだ……?」


 5人はお風呂を上がった後、買い物を済ませタイガの家で鍋をすることになった。


「雪乃〜 卵取って」


「自分で……」


「あ 私取ります! タイガさんはご飯おかわりしますか?」


「よそってくれるの?」


「はい! もちろんです!」


「雪華は働き者でいいね〜」


 雪菜が鍋を突きながらそう言った。


「インガは食べないの?」


「食べるけど 俺の金だし……」


「い……インガさん すみません」


「え いや 君が謝んないでよ 食べたいって言ったのコイツだし」


「ってかさ〜 お前とか コイツとか やめろ」


「は」


「そうだよ インガ」


「俺! には雪菜って名前があんの!」


「……」


 無言でインガが鍋の肉を掴む。


「おい……」


 雪菜がインガの手をがっちり掴む。


「離せ 肉が取れない」


「誰に言ってんだ?」


 インガを睨みつける雪菜。


「お前」


「お前じゃねぇよ」


「だるぅ……」


「あ! コイツ今だるって言った! ね! 雪乃?!」


「言った……」


「何で名前で呼んであげないの?」


 インガが質問した。


「は」


「え えと えと……」


 喧嘩の仲裁をしたいが、やり方が分からなくて慌てふためく雪華。


「雪菜さん? 手を退かして頂けませんか?」


 一切雪菜と目を合わせることも無く、丁寧にお願いした。


「何それ?」


「早く退けろ」


「もしかして…… 恥ずかしいんですか……?」


「……!」





✴︎後書き

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