第23話 ほっぺ

第23話 ほっぺ

 エレベーターで4階に上がる3人。


「今は何も気にしなくていいよ 全部後にしよ」


 そう言って雪菜が雪華の頭を優しく撫でた。少し雪乃が頬を膨らませた。


「は……ぃ……」


 雪乃が雪華の目元をなぞった。



   † † †

 


「雪乃さんと雪菜さんは姉妹なんですか」


 雪華が丁寧に制服畳みながら言った。


「そ! 双子! 私がお姉ちゃん! あと雪菜って呼んでよ 私…… 違う違う 俺も雪華って呼ぶから」


「私もその方がいい」


「雪乃!!」


 雪菜が雪乃のほっぺを両に引っ張った。


「痛い痛い!! 俺!!」


「っふ 仲良しなんですね」


雪華が小さく笑った。


「雪華はそっちの方が似合ってる!」


「……え?」


「“ハル雪”の雪華ちゃんも 私は最初っから笑ってた方が良いと思ってたんだよ〜」


「“ハル雪”?」


「お姉ちゃんわかんないって」


「『ハル、雪が解けて』だよ! “ハル雪”の雪華ちゃんも最初はずっと暗い顔してたんだよ〜 でもね! 王子様と出会ってからよく笑うようになって 最後には……」


「いいって」


「雪乃も好きじゃん!」


「そうだけど……」


「そうだ! 今度貸してあげるね!」


「いいんですか?」


「もちろん! よしじゃあ行こっ!」


3人は脱衣所を後にした。



「背中流してあげるね〜」


「え…… イッ だだ大丈夫です」


「お姉ちゃんに甘えていいんだよ〜」


「っ…… はぃ」


「素直でいい子だね〜 雪華は何歳?」


「16です」


「私は18だよ〜 お姉ちゃんに何か質問あるかな?」


「……」


「イタっ ちょっと雪乃何すんの!」


 雪乃が雪菜の腕をつねり顔を睨んだ。


「え えと…… どうして私を助けてくれたんですか? っあ てかまだお礼も言ってませんでした もう一回ちゃんと言いますけど 本当にありがとうございました」


「私達はお礼言われるようなことしてないよ」


「うん インガとかいう奴がいきなり走り出したの」


「インガさん……?」


「さっきお金出してくれたいけ好かない奴」


「苦手ってことですか?」


「苦手だね 雪華のことお姫様抱っこして太ももがっちり掴んでたし」


「お姫様抱っこ……?!」


「アイツおぶるか一瞬悩んでた」


「どっちもキモい 雪乃はアイツの味方するの?」


「あの状況しょうがなかった でも雪華倒れた時胸当たった……」


「アウト! アウト!」


「私もそれだけは絶対に死んでも避けるべきだと思う」


 (基準何……?)

 

 



✴︎後書き

最後まで読んでくれてありがとうございます!

明日も風呂!

今PV伸び悩んでて3日連続風呂回でもいいかなって……

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