第13話 頭脳

「本当の敵は『安全ジルミ』って 今俺は言わされてる」


「っか っは……」


 男の過呼吸は止まらない。


「言わされてる?」


 レンが歩み寄り、聞いてきた。


「塔ノ岳のブレーンは完全に乗っ取られてる」


「今この状況が仕組まれてたって訳?」


「ああ」


「……? 待ってくれ……」


 正気に戻った男が聞いてきた。


「翼の生えた犬を逃して タイガに捕ませた」


「?! ソイツの目的はなんだ? ソイツが真の敵ってことか?」


「敵かどうかは微妙 ソイツは『塔ノ岳』と『雨』の協力関係を望んでる そして俺も望む」


「ソイツに心当たりがあるのかい?」


「ない」


「ふーん……」


 レンの含みのある沈黙。


「まあ どちらにせよブレーンは乗っ取られてる訳だし 協力関係を築くのは確定してる」


 ゲームセット。6人は帰路についた。




 

 国家警察養成機関、9年間の義務教育修了後の高等教育機関にあたる。通称『警養関』。


 警養関時代の2つ上の学年に心理操作術に長けた先輩がいた。


 何の縁か、警養関時代俺は彼女と関わることが数回あった。


 だから、俺の力量を底は知らずともある程度把握してる。




「君を操れたとか思ってないよ 今回はたまたま利害が一致しただけ」


 その彼女、星茜音は呟く。




✴︎後書き

読んでくれてありがとうございます。

一応、一区切りです。

まだまだ書くので、稚拙ですが応援よろしくお願いします。

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