選ぶ色

ネオミャウ太

第1話

俺は服屋で悩んでいた。


このブランドも良いな、いやコッチも良いなと悩んでいると


「お客様、こちらの服は如何ですか」


と店員が派手目な赤の服を差し出してきたので俺はこんな色無理に決まっているだろうと思いながら


「すみません、ちょっと、自分には合わないと思いますね」


「そうですか、ではこちらの服はどうでしょうか」


と今度はピンクの服を差し出してくる、芸能人じゃねーから浮くだろ!と心の中で若干キレながら


「すみません、ちょっと、派手すぎますね」


「そうですか、あ、ちょっとお待ちください」


と言うと何処かに店員が行ってしまった。


俺はようやく落ち着いて見れると思いながら選んでいると


「こちら、新デザインです、どうでしょうか」


と言って落ち着いた青い色の服を見せてきたのでやっと派手じゃない色だと思いながら


「へえ、良さそうですね」


「そう思いますか、だけどこれだけではありません、何と後ろは」


と言って服の後ろを見せて来る。


服の後ろには誰か知らん顔が描いており誰だよと思いながら


「この人、誰ですか?」


「この人はうちの創業者なんですよ、どうですいかしてるでしょ」


と自慢してきたのでここの創業者、大丈夫と心配になりながらも


「ああ、そうですね、でも自分には似合わないかな」


と愛想笑いをしながらやんわり断ろうとすると


「大丈夫ですよ、お客様には似合いますよ」


と言ってきたのでこの服に似合うってどゆこと?と疑問に思っていると


「お客様に更にマッチするポイントがありまして」


と言って服の袖の部分を見せてきた


「なんとここには創業者の生年月日や血液型や連絡先が書かれているんですよ」


とオススメしてきたので自分の個人情報開示するって何事?と怖くなりながら


「すみません、買う服決まったので、お会計、お願いします」


と急いでさっき迷っていた服を買おうとすると


「そうですか、残念です、お会計しますね」


と言って俺は支払いを済ませ出て行く。






「店長、やりましたね」


と店員が言うと店長が出てきて


「一時間も待っている客にはこれが有効なのさ」


と2人は笑い始めた。

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