水と葉巻とチューインガムから見た②【アニメオリジナルとサガミオリ◯ナルの発音が同じかどうか】

 女が叫んだ…これは…多分、今、始めて知ったのかな?

 俺はてっきり知っていて、目の前でカズがガンガン再生させてると思っていた。


 どうやら違うようだ…自分がアダルト女優のように色んな動画に出まくってるのをカズは、意図せずまるで分からせのように再生しまくっていたようだ…本物の外道だなぁカズは。


『頼子!落ち着け!違うぞ!?これは違…くはないけど安心して下さい!ほら、手を繋いだ!安心ですね?』


 お前が落ち着けよ…何も安心出来ねぇよ。

 女は息できてんのかな?


『アアアアアッッ!?わたじぃがぁ!なんでっ!なんでぇっ!?ウアアアアッッ!!』


『大丈夫!俺がいるから!一緒にいるからな!』


 何か真っ青になったまま叫んでぷるぷるしてるけど…何となくこんなシーンは何度か見たけど大体止まっちゃう。下手すると心が塞がれる。

 いきなり現実に放り込まれたらな、受け入れられないから。


『いやぁァァァ!!こんなのっ!こんなァァァ!!』


『よーしよし、大丈夫だ。戦場カメラマンは洗浄された。これからは安全安心の家造り、住み慣れた、我が家は?ほら、歌ってご覧?』


 カズはこういうのの場数だけは踏んでるから自分の心は絶対壊れないけど…だから逆に寄り添う事は出来ないんだよなぁ…俺もだけど。


『カズ、違うよ。最近完結した小説とか見ろよ。エロいの見過ぎなんだよ。もっと寄り添わないと…旅行とか行ったらどうかな?』


 シンがなんか言ってるが…実際そうなんだよなぁ…寄り添いがな。

 

 シオンみたいに狂ったバイタリティがあると、いきなり新沼とかいう奴を包丁で刺すとかするけどな。


『カズちん…どういう事?その、女…何なの?私は?答えて?その女?』


 狂ったバイタリティがなんか言ってるわ…カズもまたうるせぇなぁって顔しちゃって…


『え?あぁ…俺はシオンの幸せを願う、ブチ狂った君はいつだって無敵だ…物理的に。おめでとう』


『本当に?♥ヤッタァ♥無敵だって♥』


 なんでそんな事言うかなぁ…

 

 しかし…もしかして…あの女が結婚するって言ってた彼女か?

 

 ははぁーん、なる程な〜何となく読めたな。

 だったらここまでするのも頷けるわ。

 まぁシオンにゃワリイけど…しかもそのシオンは…


『ねぇお願い♥その女寄越して?♥ねぇ♥悪いようにはしないから♥大丈夫♥ちょっと出演するだけだから♥世間に出れなくなるだけだから♥』


 何となく気付いているな。もう諦めろよなぁ…まぁ良いや。仕事しよう。


『シオン、なるべくあの女に似てる奴用意してよ。顔出せる奴ね』


『は?何でアタシが?ベニがやれよ』


『シンはなるべく似てるシチュエーションで同タイトルで配信してくれ』


『あぁ…まぁやるけど…結構金かかるよ?数タイトルタダで出す金額だよ?そこまでする必要あんの?』


『あぁ…まぁ…祝いだよ、俺等からカズへの。シオン、カズも喜ぶぞ?』


『本当に♥絶対?♥違かったらキサマをぶち◯すぞ?』


 いや、まぁ喜ぶのは間違いないと思うよ。

 前途は多難過ぎるけど…俺達からの結婚祝いだ。


『とにかく間もなくウチのモンが着くから、その男拾ってもらって、ハイ終わり』


 まぁおめでとう、カズ。

 壊れた女なんか何人も見てきたからいけるだろ?

 せいぜい頑張れってくれや。






―――1ヶ月後




 そんなこんなでカズの家に着いた。

 アイツなりに悪い事をしたと思ってるらしい。


 例の1件の後、電話があったので『幾らかかった?』とか抜かすもんだから、結婚祝いだよと言ってやった。

 

『カズも大人になったなぁ…どっちにせよ、俺は金無いから飯食いに来てよ』


 と、何か馬鹿にされたような気がしたが…ついでに色々清算したいのかな?

 食事に誘われた、カズの家に。

 ちょっとあの彼女とは…どうなったんだろうなと気になったので日を決めて…今日になった。


 現役だし、俺はアダルト業界側の人間だけど…何か出来る事があればしてやりたいが…


『カズちんこんな小さなマンションにすんでんの?こっちに来れば高層マンション用意するのにぃー♥』


『そうだよ、何でわざわざ神奈川の田舎に来なきゃいけないんだよ?僕は虫とか嫌いだから考えられない。そもそも僕はカズとはWEB小説のアカで繋がってるから別に来なくても…』


『は?』『いや、シオン…何でも無いです』


 馬鹿2人も来てしまったんだ。すまんな…


『おっす!ベニ!久しぶり!え!?2人も来てんの!?』


 久しぶりにカズの手料理が食えるなぁと思っていたのは良いが…これは…


『わん!わわん!ヒッ!?クウーン…』


 この犬…じゃねぇこの女…ワンワン言いながら


『ハッハッハッハ!クウーン!!』 


『カズちぃん…この女…コイツぁ…』


 カズに助けてと言わんばかりにカズにすがっている…シオンが凄い眼で見てるからだ。


『俺の嫁さん、頼子だよ…壊れちまったけどな〜虐めないでくれ、今、再構築に向けて頑張ってるんだ』


『僕が思うにそれは、再構築でも、対人関係じゃなくて本人の人格の話?』


 シンが意味不明な事を言っているが…いや、それよりカズ…壊れちまったけどな〜じゃなくて…


 すると横にいたシオンがいきなり古い回転式拳銃を女に向けた…いや、待てや…


『オイっ!シオンっ!カズの嫁さんだぞ!?お前いい加減…』


 何コイツ、銃持ち歩いてんの!?馬鹿なの!?


『カズちぃん…コイツ…犬のフリしてるわ…ロシアンルーレットしたら治るよ♥ねぇしようよぉ!?♥』


 リボルバーを外し、弾を確認、回転させ、また付けて、銃口を向ける。


 そんな訳ねぇだろ…お前の結婚祝いは実弾なの?

 俺はカズの親友として止めなければならない…いや、結婚祝いに飯食いに来ただけなんだが…シオンは無視しよう。

 俺はシオンを押しのけ、前に出る。


『とにかくカズ!結婚おめでとう!コレ!俺からペアのティーカップとお花。会社からはギフト券20万』


『僕はカクヨム経由でギフト送ったよ!カズの★0でフォロワーが僕とBOTっぽい人1人だけのエッセイ『俺だけ彼女が犬になった件』とか言うクソ小説宛に送っといたよ!』


『えぇ…あ、はい…いや、おま…』


 何よその態度…俺、ちゃんとしたよ?







※カズ視点に戻ります。凄いフォロワーが増えましてチビリそうですが、皆さん勘違いをされているかもしれません。私の作品はいつもこんな…でも終わりは見えているのでエタらないと思います。

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