三本目〜俺も大概、馬鹿だった…のが分かった(GPS)

 スーゥゥゥゥ…ハアアアアーーーーーー


 3本目に火を付けながら準備を確認する。


「間男からのメール開きっぱなし、実はカメラ起動してるノートパソコン、ヨシ!」


「熊塩興信所の調査結果、その上に涙の水滴、ヨシ!」


「音声を拾う為と別角度の定点カメラ、ヨシ!」


 俺は準備に余念がない、更に雰囲気を上げる。


 ガシャーン!


「怒りのあまりに飲み物のコップ破壊痕、ヨシ!」


 しかしまだ、一晩、時間あるな。正直1人で待ってるのも滅入ってくるしな。

 良く小説だと浮気された瞬間にやたらパワフルに動く人がいるが少しだけ気持ちが分かった。

 

 再度、動画を確認する。

 頼子は残念ながらシリーズ化していた。

 勝手に流すならせめてサイト散らしてやれよな…【広◯ア◯ス似の素人が!?】でナンバリングされてんじゃねーか…しかし仕事場っぽい所でもやってるな…


 凸っちゃう?いや、覗くだけですよ、覗くだけ。

 もしかしたら草食動物の中でも更に枯葉しか食わない様な俺のメンタルが刺激されるかもしれない。


 GPSのスイッチ入れて頼子の位置を確認!

 職場に居る!ヨッシャけ!逝ったれ!


 俺は素早く金が無い為に通勤用のボロボロのピンクナンバーバイクに乗り、都内に向かった。



 ちょうど都内に入ったあたりで頼子から鬼電&鬼メール。


『カズちゃん、どうしたの?こっちに用事?』

『急にGPSのスイッチ入ったけどなぁに?』

『こっち来るなら合流しようか?ご飯でも食べる?』

『大丈夫?バイクだよね?心配だよ』


 みたいなSMSのメッセと、何回か電話が入ってた。15分ぐらい気付かんかったな…てかメッセージ焦り過ぎだよ、心配まで2〜3本分しか経ってないじゃん。


 てか、バレテーラ(笑)GPS…興味無いとか言ってた割に使い方分かってるじゃねーか…


 俺は無言で帰路に着いたが…頼子が凄まじい速度で帰ってきている!?

 違う、電車か…一瞬頼子がワンダーウーマンばりに飛んでんのかと思った。


 あぁヤバい…時間が…電車はえぇ…やはり二輪より列車だなと思いながら、途中でGPSを切り近所の裏山に逃げた。


 なぜ裏山か?この山から望遠鏡でウチのマンションの部屋が一望出来るからだよ。

 無論カーテンは全開…というかキレて千切った風にしたから隠すことは出来ない。


 結局、洞穴から野生の馬動物を誘い込む様な動きになった。

 別にRTAしてる訳じゃないんだが…


 


 頼子が見えた…望遠鏡で見ると凄まじい形相で走る、広◯ア◯ス似(パーツのみ)とは上手い事言ったスーツ姿の頼子…少し着衣が乱れているのは気のせいか?んん?


 鍵を一回落とす程慌てん坊、そして凄まじい勢いでドアを開ける頼子。

 こっからは音声も拾わせて貰うぜよ(笑)


『た、ただいまー!どうしたの?ちょっと早く終わって帰れちゃ…カズちゃん!?』


『何処!?和樹さん!何処!?お風呂!?』


 最近カズちゃん呼びだったのに急にさん付けに戻り動き回る頼子、スゲーな…船から逃げるネズミの如く家の中を速歩きで動き回るスーツ女、頼子。


『和樹さん!?いないの!?かずっ!?!?』


 ノートパソコン視界にはいっちゃー!♥


 スマホでノーパソのカメラに切り替える。

 半端ねぇ…画面と興信所の調査結果(嘘)をプロゲーマーの様に交互に見る頼子。

 

 さぁどうする!?映画学校卒業!主演、頼子!


『あ……………あぁ……あああ……そん…な…これは…なみ…だ?……違う……ごめ………』


 アレ?頼子はグシャっと地面に座り込んで完全に顔が死んでいた。

 

『私……なに……して……ああ……あぁ………』

 

 よだれ垂れてますが…よく見るとスゲー歯がカチカチ言ってそうなぐらい口がブルブル動いている。

 あれ、動画知る前に破壊した?早くね?俺のせい?


 いきなり頼子は風呂場に行った。

 風呂場にはマイクしか無いけど…


『何で!?私!何で!?こんな事…いや!汚いいや!!』


 何かグポグポ言ってるけど…


『赤ちゃん出来ちゃう!赤ちゃん出来ちゃうよぉッ!和樹以外の赤ちゃんは嫌!出てってよおおおお!!!』


 何それ…怖えぇ…てか中で出したんか…ヤベーじゃん?このまま行ってたら託卵まっしぐらだったじゃん?

 いや、子供に罪はないッスけどね?まぁ出来てても認知はしないよね。

 しかも今ので言質取ったしね。


 ていうか、こんなスプラッターな頼子を延々と見続けるのか?

 とりあえず先程の消した煙草のシケモクに火をつける。

 風呂場から出てきた頼子は何と!?スーツ姿のままスカートをたくし上げて洗っていた様だ…ビッチャビチャ。水滴垂らしながら歩く姿は妖怪か広◯アリ◯か!?


『和樹さん…ごめんなさい…何で…ケンゴ?…ケンゴオオオオ!!!』


 誰?ケンゴって?あぁ間男か?

 ちなみにメールの送り主はmaotoko_desu@**il.comにしてある。

 普通の脳みそならすぐ気付くと思うが、やはり気付かない。

 まぁ自分の痴態がメールで送られていれば気付かないわな。


 早く間男の所に行け、俺は後をつけるから。

 しかし間男の所には行かない…何かずっとブツブツ言ってるだけ…

 何だろう…これはオレ登場!した方が良いのかなぁ…と思ったらなんか電話してる…


『アンタ何考えてんのよっ!こんなの約束と違うッ!和樹さんは巻き込まないのでって言ったじゃない!メールよ!知らない!?ふざけないでよっ!』


 何か間男に罵声を浴びせている。どんな理由があっても配信はされてんだけどなぁ…可愛そうに。


 一通り罵声を叫んだ後、今度は俺に鬼電か来た。

 そして…


『カズちゃん、話がしたい、謝りたい』

『誤解の部分もある、説明させて下さい』

『お願いします、電話に出て欲しいです』

『和樹さん、お願いします。電話に出て下さい』

『一生のお願いです、電話に出なくても良いので一度帰ってきて下さい』


 ヤバいSMSが大量に来る。俺はとりあえず既読スルーすると…


『見ているのであればお願いします』

『私が全面的に悪い』

『和樹さんを裏切っているのは事実』

『謝らせて下さい、話を聞いて下さい』


 お前、見ているな?的なメッセージが沢山来た。

 そしてとうとうキョロキョロし始めた…俺が見てんの気付いてんのかな?家の中にいると思ってるのかスゲーウロウロしてると思ったら台所に行った?


 アレ…包丁持ってる…俺の彼女、広◯ア◯ス似(パーツ)が…手首に包丁を当てた…


 所でシケモクが消えた…俺は仕方なく、電話した。

 

 



※終わりまでサーッと書くスタイルなのでエタりません。安心のクマシオ印(すぐ嘘つく)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る