カラーギャングの懲らしめ方

ぱぷぅ

色にも色々あるカラー

 目の前には真っ赤な集団。

 後ろには真っ青な集団。

 右には緑、左には黄色。

 色の三原色も光の三原色もカバーしている連中に囲まれている。


 魔王の四天王とその部下らしい。

 どう見てもカラーギャングです。本当にありがとうございました。


 例によってまたも異世界召喚された俺は、特にやる事も無かったので魔王を倒して日本に帰る気満々であった。

 途中の中ボスと言うより厨ボスをなぎ倒してきた俺は、魔王城の前で四天王に囲まれている。

 なんだよ紫のパープルシャドウとか橙のクラッシュオレンジとか。

 紫は影も残さず吹き飛ばし、橙は名前通りクラッシュしてきちゃったけど。


「イベントとか全て無視して突っ込んできやがって!

 ここに来るには【虹の如雨露じょうろ】が必要なはずだろうが!」


 叫んでいるのは赤い四天王。

 名前はルビーファイア・フェニックスカイザーと言うらしい。

 言ってて痒くなる名前だなこいつ。


【虹の如雨露】とやらは魔王のいる魔大陸に来るためにこのジョウロで虹の橋を造らないと海峡が渡れないとかなんとか。

 普通に海の上走って来たけどさ。

 右足が沈む前に左足を出して、左足が沈む前に右足を出せば海なんて簡単に渡れるんだよ。

 よく漫画とかであるじゃん。出来る出来る。


「【黒のマント】も無しにあの森を抜けるなんて!」


 次は緑色の四天王。

 名前はフォレスト・バンブー・ウッドツリーだとか。

 木の中に竹混じっててこちらもなんか痒くなる名前である。


 毒の霧が立ち込める森があったが、そこの事だろうか。

 鼻がムズムズしたから、思いっきりくしゃみしたら森ごと吹き飛んだんだけどな。


「【銀の剣】も無しに魔王様に挑もうとはなめているのか!」


 今度は青の四天王。

 グロッタ・アズッラ・カプリって言うらしいけど、なんかスパゲッティ食べたくなってきた。

 最近じゃ剣とか使わなくても、ほぼデコピンで片付くから伝説の武器とか気にしてなかったのは秘密。

 投擲とうてきして遠距離から魔王を倒す用の武器だよね。あれ。


「【金の盾】も無く魔王様の攻撃を耐えられると思ったか!」


 むしろ俺の体を傷つける事の出来る攻撃があれば教えて欲しい。

 黄色の四天王、イエロー・イエロー・アンラッキーと言うらしい。

 逆だろ。ビスケット食いてえ。



 そう言えば前に敵対度を色で判別する魔法作ったっけ。


【エネミージャッジ】


 もちろん全部真っ赤である。

 緑も黄色も青も真っ赤である。

 キャラ設定皆無な四天王がさらに色指定すら無視されてるとかいう笑いは俺にしかわからないだろう。

 既にKAC2024皆勤賞狙おうと思った事を後悔してるんだ!

 ネタとか全然足りなくて、俺にすら名前が無いままなのに名前付けてもらっただけでありがたく思え!!!


「お題が色じゃ無かったらお前ら色すらついてねえからな!白黒だ白黒!!!」


 四天王に順番にゲンコツ。

 埋まっていく四天王。

 ついでに髪もむしっていく。

 そんなとこに埋まってなにしてんのー?なんちゃって。


 あまりの寒さに一面が氷結し、世界が真っ白に塗り替わる。

 ついに心の声で魔法が発生するようになってしまったのだろうか。


「よし、四天王が真っ白になったから、魔王は真っ黒にしてしまおう。」


 先の方に見える城に燃え続ける青い炎をぶつける。

 そう言えばこの前カラスミ初めて食ったよ。

 意味が解らない人は検索だ!K先生ゴメンナサイ!


 城を燃やせば炭化して黒くなるかと思ったけど、全てが燃え尽きて白になってしまった。

 炭化って有機物じゃないとダメだもんね。煤でもつかないと石で出来た城は黒くならないよね。シロだけに。


 足元に魔法陣が浮かび上がる。

 どうやら帰る時間のようだ。

 ……おやじギャグが寒すぎるからじゃ無いよね?

 ゴリラオチもネタ切れだからこのまま終わっちゃうよ?いいの?


 面白くも無いダジャレをこねくり回すのはもう懲り懲りらゴリラ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

カラーギャングの懲らしめ方 ぱぷぅ @papu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

同じコレクションの次の小説