6月15日(土)_徹夜明けの乙女《2巻2章》
「お……っと」
定期試験《星集め》の実施期間がそろそろ近付いてきたとある休日。
朝から【
と、そこでは――
「すぅ……くぅ……」
「むにゃむにゃ、むにゃ……えぇ~、もうお
――制服の上から白衣代わりのカーディガンを纏った一軍女子こと
(ここ数日、ダミータグの改造を頑張ってくれてるはずだけど……)
(もしかして、昨日も徹夜してたのか)
ありがたさと申し訳なさが同居する複雑な感情を抱きながら室内へ入り、手近なキャビネットからタオルケットを取り出して深見の肩にそっと掛ける。
「む……はれ?」
瞬間、赤とオレンジの混じった太陽みたいな瞳と目が合った。
「わ、わわ……ミキミキ?」
「おはよ……」
「って、あれ? なんでウチ、ミキミキと一緒に……」
「多分、実験中に寝落ちしたんだと思うぞ?」
くしくし、とカーディガンの裾で目を擦る深見に状況を伝える俺。
「ここ、寮じゃなくて地下アジトの研究室だからな」
「っていうかそもそも、俺が女子寮に忍び込んだらあっという間に捕まっちまう」
「なーる……」
「って!」
と――そこで、不意に深見が大きな目をさらに大きく見開いた。同時にさらりと揺れるピンクレッドの髪。彼女はしゅばっと俊敏な所作で俺から距離を取ると、我流のボクサーみたいな構えを取って全身で
「待って待って、ウチ今メイクしてないんだけど!」
「昨日寝落ちだから、むしろシャワーも浴びてないっていうか……」
「み、ミキミキはこっち来ちゃダメ!」
「……?」
「別に、気にならなかったけど」
「
「あ、あんなところも、こんなところも……!」
「お
かぁっと顔を真っ赤にする深見。
「…………」
パーテーション代わりの白いカーテンで身体を隠そうとする彼女は、
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