4月29日(月)_最強同士の序列争い《1巻3章冒頭》
「はぁ、はぁ……」
「……んっ」
俺の背後で好奇心旺盛な怪盗少女、もとい銀糸のお姫様が手早く下着を直している音が聞こえる。
どうにも
「どやぁ……」
すぐ隣で得意げな横ピースを決めているのは、実行犯である暗殺者の少女だ。
――そう。
完全犯罪組織に2人目のメンバーが加わった直後、永彩学園内で新たな
スカウト時の攻防から早くも怪盗少女を〝ライバル〟と認識している暗殺者の攻撃が、お姫様の背後から的確に下着のホックを外していた。
「かんぜんしょうり……」
舌っ足らずな甘い声がすぐ近くから耳朶を打つ。
「やっぱり、わたしの方がさいきょう」
「ほめて、ほめて?」
「あ、ああ……さすが天才暗殺者だな」
「いやまあ、俺からしたら2人ともめちゃくちゃ強いけど」
「何が起こってるか全然分かんなかったし……」
「? じゃあ、あのえっちな下着もみえなかった……ってこと?」
「それは、ざんねんむねん」
「……もういっかい?」
「えっ」
「――させません」
瞬間、まだ顔が赤いままの怪盗少女がムッとした顔で割り込んできた。
片手で胸を隠した彼女はふわりと銀色の髪を横に振る。
「というか、今のも負けたわけではありません」
「単なる不意打ちですから」
「いいわけはむよう」
「負け犬のとおぼえ……やーい、やーい」
「……ふふっ」
サファイアの瞳が
「すみません、黒幕さん」
「私、ちょっとこの子に〝序列〟というものを教えてあげないといけないので……」
「――本気を、出しますね?」
「え」
「ふにゃぁああああああ!?」
……詳細は、想像にお任せするけれど。
空き教室いっぱいに轟いたのは不敵な笑みと、かよわくて
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