人の顔は色々変わる!

川向こうのジェロ吉さん

第1話 緑でも危険だよ!

母がお土産に買ってきたずんだ餅、掛け声と共に食べ出す俺達。


「マサシ取りすぎ、一旦離せよ!」

俺が両手でホークを握っているので、姉が抗議する。


「姉さんこそ、両手に箸を指の間に入れて、餅に刺すな箸をさ!」

大体自分の方が、常識を遺脱しているだろうに!


妹は俺達二人の争いを無視して、一個づつ楊枝に刺してパクついている。

ただ速度は、高速だ!


「もうあなた達、きちんと噛んで食べなさいよ、お餅は喉に詰まるからね!」


そうずんだ餅は、餅なのでキチンと噛まないと大事に成る。


少しして最初の犠牲者が出た、姉さんだ。


「ウッウ」

姉さんの箸が、手から落ちる。


顔が苦しそう、恐らく喉に詰まったみたいだ!

顔の色が赤から黄色次は青、そして紫に成る瞬間に、母さんが思い切り背中を叩く。


ポン、餅が喉から取れ口から出てくる。

「汚ねえな、欲をかくからだよ!」

俺は言いつつも、ホークをを止めない。


「マサシ貴様! 姉の一大事に助けないのか!」

姉さんは訴えても、ずんだ餅合戦から退場だ!


「もうお姉ちゃんは、やめときなさい、あなた達二人も明日食べなさいね」


母はお土産争奪戦の中止を発表! 残りは明日となる所に、妹は楊枝を止めない。


「母さんが中止だってさ、やめるんだ妹よ」

「終わり終わりよ、残りは明日よ妹ちゃん」


姉と俺が妹に食べる事を言うが、妹は楊枝を止めない。


「大丈夫だい……」

妹の行動が止まりお腹を抑えて、顔が赤から青になる。


「また喉に詰まったか?」


俺の問いかけに、口を押さえた妹が立ち上がり。

「お腹痛い、トイレ行ってくる!」

楊枝を放り投げ、トイレに走って行く。


姉妹揃って顔の色が変わる、面白姉妹だ。


ずんだ餅、色は白で周りに付いている豆は緑。


信号なら緑で進めるが、その先には赤が点いた信号や黄色の点いた信号もある。

歩行者用の信号なら赤から青まで一瞬だ。


正月の雑煮で喉を詰まらせて、救急車で病院に行く者もいる。


もお一度言う、ずんだ餅の緑が安全とは限らない!








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

人の顔は色々変わる! 川向こうのジェロ吉さん @fin77

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ