とりあえず3

眞壁 暁大

第1話

とりあえず KAC20241

とりあえず2 KAC20241+


そんな具合。


さておき。


トリがいる。

カクヨムのキャラクターらしい。

それは知ってる。

スマホクリーナーもらった。どこにでも貼れるやつ。

なんども目にしてるんだけどこう、色合いが地味よね。


その昔、Twitterっていう短文投稿SNSがあったんだけども、そこもトリが飛んでた。

もっと昔になるとクジラが浮かんでたらしい。


話はそれるが、そうとう古い時代の話になるのだけど、小学校の低学年国語の教科書では空を飛ぶクジラの話が載っていたそうだ。伝聞でしか知らないので内容はよくわからない。ただ空を飛ぶクジラが居た、ということだけは高齢のみなさんもけっこう覚えているが、どんな話だったかは皆おぼろげである。

くじらが空を飛んでいる、というインパクトで子供には話の中身は印象に残らなかった、ということなのかもしれない。

そう考えると「スイミー」はよく出来た話だと思う。あれは読んだし覚えている。小魚の中でいっぴき黒いやつが活躍する話。

あの話はキャラクターとしてはインパクトに欠ける分、話の方が印象に残る作りになっていたのだろうか? よくわからない。

子供の頃のことを思い出そうとしても、結局のところ「その当時の気持ち」にまではなかなか近づけないな、と感じる。


 話を戻す。戻すというか、上記のことを少しだけ踏まえた上での話である。

カクヨムももうだいぶ旧い方のサービスになってきた昨今、

「そういやトリって昔からいたっけ?」

そのことに自信がなくなってきたのだ。


 開始当初からアニバーサリーイベントには参加している。

 完走するくらい程度のほどほどの熱意をもってやってたと思う。

 なので、昔から「トリ」をネタにしたお題が期間中にどっかで回ってくるのは覚えている。最初の方は他のキャラ(カタリとかバーグとか)との選択式お題だったのも薄っすらと覚えてる。

 だが、その当時の「トリ」ってこんなやつだったっけ?

 というイメージのずれが生じているのだ。


 思えば「トリ」は、わかりやすく「トリ」だった。

 鳥らしいカラーリングで、まあ知性はあるんだろうな、というルックスだった。宣伝のたびに引っ張り出されてきて人目に付く機会も多かった。しかしそれ以上のキャラクターの掘り下げは公式からはほとんどなかったと思う(あったのかもしれないが、自分の無関心のゆえか、ほとんど知らない)。

 それでも当初は漠然と「こいつは物知りのトリだ」という印象があった。

 公式の短文の紹介からもそうしたイメージが湧く。俺の場合は。

 しかし今ではどうだろうか。

 確固たるイメージは希薄だけれども、物識り感は薄れた。俺の中で。

 読みて書き手を導く、という感じが薄れて、書き手が説明するのを聞き役に回っている印象が強くなった。そういう作品が増えたのだろうか? 単純に俺が目にする作品がそういうのが多かった、というだけの話かもしれない。


 じっさいの「トリ」がどんな奴なのか、というのはこの際措いておく。

 ここで俺が強く意識しておきたいのは、「トリ」とは

・せいぜいカクヨムアニバーサリーのときに認識を確認するていど

・「トリ」テーマの作品を読むにしても、毎年2,3作品読めばいい方

 ていどの薄っぺらい付き合いでしかないのに、それでも8年も経てばイメージの変容が起きてしまっているということ。


 次々に新設定が追加されていく、二次創作が追加していくなどの潮流であればイメージの変容は不可避だしそんなもんだろうな、と思う。だがこの程度の浅く薄っぺらな付き合いならば

「トリでしょ? 知ってる知ってる」

 という固定したイメージがあって良いはずなのに、いまだに

「トリってなんやねん」

 という気持ちのほうが強い。大体こんなもんじゃないか、という掴んでいるイメージが振り返るたびにぼんやりする感触。

 

 これは「トリ」が悪いのか。

 それとも「トリ」をぼんやり規定する枠に入れたまま放置している俺が悪いのか。


 そのことについて今年こそ答えを出そうと思っているのだが、きっと無理だと思う。毎年思うだけなら思ってるわりに、翌年になると前年の設定に違和感を感じて「トリ」お題でうんうん唸ってるからな。


 とりあえず、今年もやっぱり「トリ」のイメージはふわふわでした。

  

 



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