居場所がないので家から出た私が出会ったのは赤髪の青年(暗殺者)でした!

藍瀬なゆる

プロローグ

 あの日、私は家を出た。

 あの家には私の居場所がない。

 

 お母様が病で亡くなってしまってから、お父様は変わってしまった。再婚した義理の母親の影響かお父様は私に冷たくなり、今ではお父様とは必要最低限のことしか話さなくなった。


 もう家には戻らない。

 そう決めて私が家を出たのは17歳の時だった。

 

 私は家を出たことを後悔はしていない。

 なんでかって? それは大切だと思える人に出会えたから。


「もう戻ることはないと思っていたけれど。まさか帰って来ることになるなんてね」


 私がそう呟けば、隣に立つ赤髪の青年は大丈夫だよと言い自分の手を優しく握ってくれる。


「さようならをする為に伝えに行こう。セシリア」

「ええ、」


 晴れた空の下、私は彼の手を握りながら目の前にある大きな屋敷。かつての私の家の中へと入る為に歩き出した。

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居場所がないので家から出た私が出会ったのは赤髪の青年(暗殺者)でした! 藍瀬なゆる @__Nayu__ru__

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