第51話: 忘れた頃にやってくる
──ワープを終えて移動した瞬間、千賀子が感じたのは……かつて死の危険を覚えた、『伊勢湾台風』に近しい感覚であった。
言うなれば、人知では届かない領域。
己が如何にちっぽけな存在であるのかを思い知らされる、自然現象の圧倒的な『力』。この星が生み出す、大陸規模の暴力。
それを、海面上にて受けた千賀子は、想定をはるかに上回る事態に、内心にて舌打ちを零した。
(──くそっ! 台風の『力』のせいで、ワープ地点がズレたっぽいぞ!)
怒りを抑えつつ、懐に手を伸ばす。
(これを着ていても、これか……今回ばかりは、これは付けられないな)
けれども、顔を見られないようにと取り出した布作面を、使うことなく懐に入れ直す。
多少の雨風ぐらいなら大丈夫なコレだが、さすがにこれだけの暴風が吹き荒れている中では、下手すると顔に張り付いて窒息の危険がある。
また、ソレに気を取られていると、己自身も危ない。
顔を見られるリスクはあるけど、そちらにばかり意識を向けていたら自分も危ないと判断した彼女は、素顔のままで向かうことにした。
そう、千賀子はどこか軽く考えていたのかもしれない。
本当の意味で遮るモノが全く無い環境の中で起こる、台風の力を。叩きつけられる雨風の、もはや暴力といっても過言ではない、その恐ろしさを。
神通力にて宙に浮いている彼女は、視界が塞がらないよう顔のあたりを中心に雨風を防ぎながら、遭難している船を探す。
そして、夜の海の恐ろしさを……千賀子は目の当たりにする。
(──っ、波が邪魔になって、何も見えない!)
そう、千賀子は知らなかった。
海面上……それも、
神通力によって暗闇の中をある程度は見通すことが可能だけど、物理的に船の位置が移動したり、波で隠されたりしてしまえば、同じ事。
なにせ、波の高低差が、タイミングによっては10メートル近いのだ。
言い方は悪いが、広大な海面上でかくれんぼをされているような状況……そのうえ、千賀子自身も雨風に身を守りながら、行わなければならない。
これが仮に昼間であったとしても、探すのに難儀しただろう。それなのに、視界がほぼ聞かない夜ともなれば……さらに、見つけ出すのは困難であった。
──手遅れかもしれない。
そんな諦めが脳裏を過るが、運は千賀子に微笑んだ。
(──っ! 見付けた!)
うっすらと……そう、ほんの僅かながら、吹き荒れる力の中に紛れる小さな命を感じ取った彼女は、それを頼りに向かう。
その際、ひと際強く叩きつけられた暴風に、ぐらりと体勢を崩しかけた千賀子だが、すぐに復帰する。
……少しばかり、千賀子は腰が引け掛けていた。
何故なら、『巫女』として力を増していたからこそ、災害と呼ばれる自然現象の圧倒的な力をより強く感じ取れたから。
言うなれば、巨大な山を前に、己の小ささを思い知らされるようなものだ。
理屈とか、そういう話ではない。根本的に、人の力でどうこう出来るものではない……そう思い知ってしまう、その感覚に似ていた。
だが……諦めるわけにはいかない。
祖父のためにも、そして、せっかく助けようと決めたのであれば、助けるのだと決めた千賀子は、夜の闇の中を飛び続け──そして、ついに視界に捉えた。
そこに、船は7隻あった。
位置や角度のせいで全てを確認出来ないが、何名か柱等にしがみ付いて耐えているのが見えた。
他に、船は見当たらない。
既に転覆しているのか、それともソレが全部なのかは分からないが、とにかく、生存者は確認出来た。
(──って、ヤバい! 転覆直前じゃん!!)
と、同時に、千賀子は背筋を走る悪寒に目を見開く。
おそらく、少しでも台風の外へ逃れようとしているのだろう。
どの船も頼りない明かりで前面を照らし、なんとか船を逃がそうとしているが……残念ながら、ほとんど効果が出ていない。
素人の目から見ても、よく分かる。これほどの嵐の中だ、もはやは操舵不能なのだろう。
それは、吹き荒れる嵐の中に浮かぶ、小さな板切れも同然……そして、間もなく耐え切れなくなった船たちが、連鎖的に転覆しようとしていた。
それを──神通力にて感じ取った千賀子は、かつてないぐらいの全速力でもって接近し──そのうちの1隻、その船頭に降り立つと、神通力で持って7隻全ての転覆を止めた。
合わせて、結界を張る。とは言っても、漫画やアニメなどに登場する、攻撃を防ぐような代物ではない。
あくまでも、影響を和らげるだけ。
極寒の中で、1枚2枚上着を羽織ったようなそれは、それでも、先ほどよりも明らかに船に与えられる影響が軽減し、叩きつけられる雨風や波が和らいだ。
……残念ながら、海上では『サラスヴァティー』の権能も弱い。
というのも、サラスヴァティーは聖なる川の化身。
水と豊穣の女神という側面があるとはいえ、嵐で荒れた大海を治めるような類の力ではない。
『ククノチ』にいたっては、陸地ならともかく、海上ではまったく役に立たない。なので、実質的には『巫女』の神通力で対処するしかないのだ。
(──だっ!? う、うっそだろ!? こ、これはヤバいぞ!?)
その結果──半ば力比べのような状況は、千賀子へ多大な負荷を与えた。
それは、千賀子にとっては初めての感覚であった。
なんというか、体力ではない。しかし、近しいナニカが、そう、それはおそらく、『精神力』というやつなのだろう。
……千賀子は、これまで精神力の消耗を実感したことはなかった。
もしかしたら、と言えるのはある。だが、それは能力を行使する際に『足りないかも?』という感覚と共に認識出来る、副次的な感覚でしかなかった。
だが、それを今、千賀子はハッキリと感じ取れていた。
原因は、千賀子の精神力が当初より増えていたから。
例えるならば、だ。
最初の頃は、小さな小さな器からチョロチョロと取り出して使っていただけだから、減っても上手く身体が認識出来なかった。
しかし、今は大きな浴槽から、手桶を使ってバシャバシャと汲んでいるような状態だ。そりゃあ、そんだけ派手にやれば、一目瞭然もいいところである。
……で、だ。
それが、千賀子の身に起こっていることだ。毎秒ごとに、ゴリッゴリッと精神力が削られていくのが分かる。
女神お手製の巫女服が無ければ、すぐに撤退を視野に入れるぐらいの……そこで、ハッと我に変えた千賀子は、頭上に光を生み出して己を照らすと、船の人達の心に語りかける。
『聞こえていますか……いま、貴方達の心に語りかけています……』
その『声』に、船員たちの誰もがギョッとした様子で顔を上げる。
もちろん、ほとんどは見られなかったけど、船頭に立つ千賀子の姿を目撃できた者は、言葉を失くした。
そりゃあ、そうだ。
夜の海、嵐の中で、光を放つ美少女が船頭に、それも絶対に居ないはずなのに居たともなれば、死の間際の幻覚、今際の夢を見ているのかと勘違いして当たり前である。
だが、そんな彼らの動揺に構っている余裕はない。
何故なら、千賀子の『精神力』は有限である。それに、船員たちの体力も、そうだ。
全身ぬれねずみの船員たちの身体は、相当に消耗している。気付いていないだけで、骨折している者だっている。
一秒でも早く安全な場所に向かい、治療を受けた方が良い。下手に時間を掛ければ、助けた後で病気を発症してしまうから。
『落ち着いてください。貴方達を助けたいのです。どうか、抵抗をせず、私に身を委ねる気持ちのままでいてください』
だから、千賀子は少しでも早く船員たちを助けるために、彼らの心に語りかけ、彼らの身体を引っ張り上げようとした。
……が、しかし。
(──っ!?)
7隻の船に居る人たちの気配を掴む。
普段なら無理だが、この『巫女服』を着ている時に限り、手で触れていないモノもワープさせる事が出来る。
しかし、さすがにそれは近距離に限る。
長距離ワープの場合は、まずは己の近くまでワープさせて、そこから改めてワープを行う必要が……あるわけなのだが。
(や、ヤバい……こ、これ、無理だ)
内なる部分より伝わる、ワープ出来ないという残酷な手応えに……千賀子は目を見開いた。
いったいなにが……答えは、許容オーバー。あるいは容量オーバー、もしくはパワー不足と言うべきか。
千賀子は、己を過信していたのだ。そして、ワープ能力である『遊びに行こう』の弱点への見通しが甘かったのだ。
……そう、以前より精神力が増したおかげか、特に気にすることがなくなっていたことなのだが。
『遊びに行こう』は、自分以外をワープさせる場合、自分1人だけよりも多くの精神力を消耗する。
その度合いは、ワープさせる物体が大きければ大きいほど、重ければ重いほど、または距離によっても加減する。
それを踏まえたうえで、だ。
千賀子が己以外のワープで一番重量があるのは、ロウシである。
その体重は400kgを超えており、他にも、箱に入れた大量の果物をまとめて運んだ事もある。
しかし、だ。
そのロウシと共にワープした最長距離は、直線にして三桁km前半。しかも、その時は片道分だけだった。
対して、今回は直線距離にして約2000kmはある。
日本の最北端から最南端以上の距離のうえ、既に千賀子はここまで来るためにワープを終えた後だ。
加えて、人数が桁違いだ。
千賀子が神通力にて感じ取っただけでも、200人を超えている。重量だけを見れば、ロウシが数十頭分にもなるだろうか。
巫女服によるブーストを掛けたうえでも、半分にも満たない人数しかワープさせられない……言い換えれば、半分以上を見殺しにする必要がある。
これは、千賀子の過信が招いた失敗である。
しかし、日頃から数千kmもワープして限界を把握しておくというのもリスクがある話……で、だ。
(ワープによる脱出は無理……かといって、全員を神通力で運ぶのも……たぶん、途中で力尽きて落ちる……そういう予感がする)
ならば、どうするべきか?
(ええい、やるしかない! 男は度胸! 女も度胸! 他に手段がないなら、やるっきゃない!)
答えは──力技しかなかった。
そう、パワーisパワー!
こうなれば、台風が過ぎ去るまで耐え忍び、動ける船に移ってからの脱出以外に助かる道はない。
『──聞こえますね、皆様方』
故に、千賀子は船員たちにも協力を仰いだ。
己1人で駄目ならば、船員たちに頑張らせるしかない。
本当は疲労と消耗で弱った身体に鞭打つようなことはしたくないが、耐えてもらうしかない。
なにせ、このままでは千賀子以外は確実に死ぬ。
低体温から来る衰弱死、船の転覆による溺死、怪我から炎症を起こし、そのまま悪化して死ぬ可能性も高い。
『残念ながら、この嵐の中では私の権能は及ばない。しかし、わずかとはいえ私の力は通じます。ゆえに、貴方達は……祈りなさい』
『その祈りが、貴方達の心に力を与えます』
『祈りなさい、己は助かるのだと。この嵐が過ぎ去れば、貴方達は生きて帰る事が出来るのだと……強く、強く、ただ強く、祈りなさい』
なれば、頑張ってもらうしかない。彼らが生き延びるためには、諦めずに耐え忍ぶしかないのだ。
だからこそ、祈れと言った。
本当の本当にどうにもならなくなった時ぐらい、神に縋れば良い。そんな時にこそ縋らなければ、いったい何のための神なのか。
『さあ、頑張りなさい……辛くなれば、私を見なさい。貴方達の思い浮かべる私に、祈りを捧げなさい。掲げた光を、そこに、私が居ます』
その言葉と共に、千賀子は──神通力の出力を上げ、7隻の船が離れないよう『力』で覆いつつ……夜が明けるまでの、長い闘いが始まるのであった。
……。
……。
…………そうして、時間は進む。
……。
……。
…………轟々と、叩きつけられる風は弱まる気配が無い。
いや、直感的に、少しずつではあるが、台風が離れて行っているのは分かるのだ。
だが、それでも、人が耐えるにはあまりに辛すぎた。
ここが陸地ならともかく、海上に浮かぶ船。上に、下に、波の動きに合わせて揺られる船内の状態は、酷いなんてものじゃない。
船員たちは柱に限らず、固定されている物に渾身の力でしがみ付く。
船長や操舵手も、ロープで身体を固定しながら、必死になって前方の状況を見続ける。
そうしなければ、不安定な人間の身体なんぞ、ピンポン玉のように船内を右に左に滑り、壁やら何やらに叩きつけられてしまうからだ。
万が一にも気絶してしまえば、助からない。
運良く誰かの身体に引っ掛かる形で捕まることが出来れば……だが、それが出来ず、誰の手の届かない場所でさらに負傷を増やしてしまう場合もある。
だから、大の男たちは青ざめた顔で、それでも助かるために身を寄せ合い、互いの身体が離れないようロープなり何なりで固定し合いながら、励まし合い、陸地に居る家族の名を呼び、聞こえてきた声に祈り続けていた。
……仮に船員たちが、だ。
船頭から海の光景を見ていたら、今が昼間で明るい光景を見ることが出来ていたら。
壁が迫りくるように近づいてくる巨大な波に、不用意に外へ出ていたら一発で海の中へ引きずり込まれるような、自然の猛威に、諦める者が出たかもしれない。
だが、それ以上に……船頭に立ち、頭上に掲げた光に照らされた中で仁王立ちする少女の姿に、もはや言葉すら無くしていただろう。
(……マズイ、このペースでの消耗はマズイ。台風が通り過ぎるまでに、底を尽いてしまう)
そして、船頭に立っていた彼女は……内心の焦りをけして表に出さないよう振る舞いながら……必死に頭を働かせていた。
現状を一言で表すならば、ジリ貧である。
あえて考えないようにしていたが、やはり、7隻の船をまとめて転覆しないように抑えるのは無茶が過ぎたのだ。
だが、諦めるわけにはいかない。諦めたくは、ないのだ。
しかし、このままでは、どう足掻いても力尽きる。
文字通り、千賀子が逃げ出す分の余力まで注ぎ込んだとしても、結果は変わらない。それこそ、女神様のような存在から助力を新たに得なければ……いや、駄目だ。
(女神様の囁きだけは、使うわけには……)
頼めば、女神様は3回だけ助けてくれる。しかし、女神様にとって、生も死も大した違いはない。
下手すれば、千賀子たちを助けた余波で、地球のどこかにとんでもない規模の台風を引き起こす可能性がある。
それを思えば、とてもではないがお願いするわけにはいかなかった。
(いっそのこと、船の人達が協力して一斉に……いや、リスクが高すぎる。私の結界から間違ってしまえば、その時点で転覆してしまうかもしれない)
けれども、このままでは……ん?
そこまで思考を巡らせた時、ふと、千賀子の脳裏に女神様の助力という言葉が再び過った──その、瞬間。
「……そうだ、『ガチャ』だ」
それは──この場において、まさしく天啓であった。そうとしか思えない、閃きだと思った。
そうだ、そうなのだ、それが千賀子にはある。
『ガチャ』の恩恵は、千賀子の状態など関係ない。発動すれば、その内容に応じて一時的に、あるいは恒常的な効果をもたらす。
……ちなみに、だ。
どうして、千賀子が天啓だとか閃きだとか思ったのか……それは、千賀子がかなり前から『ガチャ』をやっていないからである。
そう、実は千賀子、ある時期から女神様からの強制付与であるシークレットガチャ以外に、ほとんどガチャを引いていないのだ。
いったいどうして……理由は、『巫女』のジョブである。
千賀子がこれまでリスクを承知で『ガチャ』を回していたのは、魅力UPによる弊害を抑える能力を得るためだ。
そりゃあ、幼少の頃はそこまで気にする必要がなかったので、ガンガン回しまくっていたが……さすがに、リスクの方が高くなれば、そうも言っていられなくなった。
つまり、魅力を抑えられるようになれば、今の千賀子にとっては『ガチャ』を回す理由などなく……実際、これまで『ガチャ』のことなどすっかり忘れていた。
(……たしか、ガチャを回すコインは最大で30枚まで……すなわち、30回分までしか貯められないはず)
虫の良い話だが、今だけはそれに頼る以外にない。
たった30回のガチャで……そんな不安が脳裏を過ったが、もはや、悩んでいる余裕などないと判断した千賀子は、久しぶりに『ガチャ』を発動させた──直後。
(……あれ? なんか、前とルーレットと形が……初代に戻っている? でも、ちょっと違うような……)
記憶にあるソレとは違うルーレットに、千賀子は首を傾げた。
なんというか、微妙に豪華になっているというか……ルーレットの上部にてデカデカと輝く『私と愛し子のV3』の文字が……ん?
「……バージョンアップしてんじゃん」
違和感の正体に気付いた千賀子は、思わずそうツッコミ──直後、ブフッと唾を噴いてしまった。
理由は、ルーレットの下部に表示されたコイン数。
これまで、ミッションを達成した時を除けば、最大30回しか貯められなかったガチャのリミットが、なんと『∞』になっていたのだ。
しかも、その横に記された数字は、『1112』。つまり、1112回は回せるというわけ……いや、待て、1112回?
(え? そりゃあ、かなり前から回していなかったけど……そんなに前からだっけ?)
デイリーも、達成したりしなかったりだったし、なんか回数が合わないような……っと、そこまで見たあたり。
ふと、ルーレット上部にて走る準備をしている『ミニ女神』の頭上に、『お知らせ』の文字が浮かんでいた。
……。
……。
…………恐る恐る、それに向かって念じれば、お知らせの文字がピコンと点滅し、まるで立体映像のごとく、千賀子の眼前にディスプレイが表示され──直後、千賀子は叫んだ。
(なんか知らないうちにイベントとか始まっていたじゃん! え、なにこれ!? 女神様、そんなの仕込んでいたんですか!?)
そこには、『ガチャ』の変更履歴の他に、『ガチャ』そのものイベント……言うなれば、スマホゲーにおけるイベントのようなモノが起きていたことが記録されていた。
『期間限定:冬籠りはガチャを回そうイベント開催!』
『ガチャVer.3移行開始:1965年実装予定』
『孕み頃記念キャンペーン・ガチャコイン+1枚追加!』
『お正月キャンペーン:君も今日から妊婦様! 期間限定SSR以上当選確率UP』
『ひと夏のアバンチュール:はい、喜んで! (現在、イベントは終了しています)』
『お知らせ:もう、本当に愛し子は鈍い子ね、ようやく気付いてくれて嬉しいわぁ(可愛いから、ガチャコイン300枚ぐらいプレゼントします)』
内容は一部おぞましいモノがあるけど、とにかく……これで、希望の芽は出た。
(……いざ、南無さん!)
色々と覚悟を固めた千賀子は、とりあえずは10連ガチャをポチッと……あっ。
『ガチャコイン 0/∞』
え、いや、なんで?
(え、これ、もしかしてコインが無くなるまで強制ガチャ──)
目を瞬かせる千賀子を尻目に、ルーレットは軽快に回り始めたのであった。
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