第40話: ステンバーイ……ステンバーイ……



 ジュース屋をやったり、馬を引き取ったり、パンを売ったり。



 家の仕事をほとんどしなくて良くなった千賀子は、それはもう自由に色々やっていた。


 どうしてかって──千賀子が店番をやると、商品を買わずにダラダラと長居する客が集まってくるからだ。


 その手の客は、店側からしても非常に扱い辛い。


 というか、だいたいトラブルを起こすし利益単価が低いので、相手にしないということになったからだ。


 だって、普通に買い物して軽い雑談をするだけならまだしも、安い商品を一個か二個買って、あの手この手で千賀子の時間を独占しようとする。


 こっちから注意しても、二言目には『こっちは客だぞ!』と怒るは、理由を付けて千賀子を店外に連れ出そうとするは、休日の予約を取ろうとするは……つまりは、だ。



 ……口説かれるのだ。それはもう、露骨なまでに。



 千賀子が良い所の御嬢様だったならば、大半の相手は家柄を見て尻込みをしただろうが……残念ながら、千賀子の家は日本中にいっぱいある雑貨屋の一つに過ぎない。


 だからなのか、相手が年頃の娘だというのに、馴れ馴れしく接して来る男の多いこと、多いこと。


 中には店の中以外では接点が無いのに、『よっ、千賀子ちゃん、この後暇かい?』といった感じで、まるで旧知の仲であるかのように接して来る男がけっこう多い。


 そう、千賀子にとっては、大勢居る客の1人でしかない。苗字を覚えている者もいるが、大半はうっすら顔を覚えているぐらいでしかないのだ。



 だが、相手からすれば、千賀子は唯一の存在。



 千賀子にとってはただの日常会話でも、相手の頭の中では都合よく変換され、『最近、俺たちってば仲良くなってきたかな?』と勝手に思い込んでいる男がまあ……うん。


 さすがに、妄想を拗らせてストーカーみたいになっているのは千賀子の前には現れていない。


 でも、他の客を応対すると、途端に態度を悪くする者がちらほら出ているので、時間の問題なのかもしれない。


 それゆえに、千賀子は基本的に『秋山商店』の仕事はノータッチである。


 やるとしても店を閉めた後の掃除や家事の手伝いが、今の千賀子の、『秋山商店』における仕事なのであった。






 ……とまあ、そんな感じで、だ。



 小中学生の時よりはるかに自由な時間を手にした千賀子なのだが……しかしながら、その日常は順風満帆じゅんぷうまんぱん(じゅんぷうまんぱん)とは言い難いモノであった。


 と、いうのも、だ。


 高校生になり、最初の内はまあ、色々と物事がスムーズに進んでくれていたのだが……6月に入る頃には、とある問題が表面化しようとしていた。



「秋山、今度の日曜日にさ、遊びに行かねえ?」



 放課後……教科書一式を手早く鞄に詰めた千賀子に声を掛けて来たのは、角刈りのクラスメイト男子である。


 名を、滝田たきだ


 体操をやっているらしく、身体も背丈も他の男子よりも少しばかり大きく……瞬間、教室内に居た男子たち……女子たちもだが、静かになった。



「ほら、この前テレビでやっていた、ボウリング場ってやつ? 一回、みんなで様子を見に行こうかって話になっていてさ……秋山もどうだ?」



 その中で、何処となくぎこちない様子で話を続ける滝田。その顔はほんのり赤く、緊張しているのが傍目にも分かった。


 ……千賀子は美し過ぎるせいでぼっち(自慢ではない)の期間があったし、女神様関連で色々な意味でドタバタしていたから視界に入らなかったが。


 実は、前世の世界でもそうだったのが、1965年(昭和40年)のこの頃は、ボウリングブームの真っただ中である。


 地方へそれが広がるまでにはまだ時間が掛かるが、ギターと並ぶぐらいにはボウリングが流行りになっており、スーツ姿の社会人(会社帰り)たちでごった返すのが日常的な光景になっていた。



 ……念のために言っておくが、この頃のブームを現代の感覚で捉えてはいけない。



 なにせ、現代とは勢いが桁外れに違う。また、この頃の情報源はテレビと新聞ぐらいしかなかったからこそもあるだろう。


 文字通り、波紋が広がるようにボウリングブームは日本全国へと届き、現代にもソレが残るぐらいなのだから……話が長くなりそうなので、戻そう。



 返事はどうなのか……そんな視線が、自然と千賀子へと集まる。



 状況を客観的に見るならば、男子が女子を遊びに誘った……まあ、この頃は男女が共に遊びに行くというだけで色々と言われたり、からかわれたりするが、そうじゃない。



 と、いうのも、だ。



 まず、千賀子は美少女である。


 それも、そんじゃそこらの美少女ではない。学校どころか、テレビでも早々お目に掛かれないレベルの美少女である。


 文字通りの、別格。そのうえ、スリーサイズが明らかに違う。


 胸は大きく、お尻も大きい。それなのに腰は細く、肌は白く、近寄ればうっすらと甘い匂いが漂う。


 これでお高く止まるような性格なら違ったのだろうが、話かければむしろ茶目っ気があるというか……つまりは、だ。



 ──千賀子はいわゆる『高嶺の花』という扱いであり、ある種の不可侵的な目で見られている、というわけだ。



 もちろん、全員からそういう目で見られているわけではない。


 穿った目で見ている者もいれば、『いけ好かない女』といった感じで嫉妬しているのを誤魔化している女子だっている。


 だが、大半の生徒はそうではない。特に、男子は。


 嫌いなわけではないが、気後れしてしまう。けれども、本音を言わせてもらうなら……仲良くなりたい。


 こんな綺麗な人が彼女になってくれたなら……そう妄想する男子は、1人や2人ではなかった。



 けれども、誰も話しかけられなかった。



 何故なら、秋山千賀子という少女は、放課後になればいつも忙しない様子で学校を飛び出してしまうからだ。


 クラスメイトの半分が、これほど美しい少女と同じ教室に居られることに胸を高鳴らせたが……そこまで。


 抜け駆けは許さんと言わんばかりに暗黙の牽制が始まったかと思えば、そのままタイミングを逃してしまって話しかける事が出来なくなった。


 でも、暗黙とはいえ続いている牽制を解く事も出来ず、これまで誰しもが空気を読み合い、ある意味では遠巻きにするしかなかった。



 ……そんな時に、勇気を出して遊びに誘った男子が現れた。



 それはもう、勇者である。


 間違いなく、この場においての勇者であった。


 成功するか失敗するかは別問題。抜け駆けかどうかは、もはや意味がない。


 重要なのは、最初の一歩を踏み出せた者だということ。


 注目が集まるのは当たり前の事であり、普段は千賀子の事を毛嫌いしている女子ですら、どうするのかと野次馬根性丸出しでジロジロと見てしまうのも……致し方ないことであった。


 が、そんなクラスメイト達の緊張を他所に、だ。



(……なんだろう、ただ誘われただけなのに……な、なんか嬉しい……!!!)



 誘われた当人は、純粋に嬉しかった。



 ……千賀子が感動してしまうのもまた、致し方ない。



 と、いうのも、だ。


 昭和のこの頃はまだ『学生!? 男女が!?』といった感じで、男女で行動するなんて……といった感覚だったのだが、それ以上に千賀子にはある問題を抱えていた。



 ──それは、交友関係に千賀子が入ると、ほぼ確実に恋愛関係のトラブルが起こるというもの。



 女神様に誓って言うが、千賀子からは何もしていない。


 ただ、気付いたら男子から好かれ、女子から目の敵にされてしまうようになるのだ。




 ──特に、中学生の時は大変だった。正しく、アレは理不尽の連続であった。




 とある男子の態度から、好かれているかも(名前ぐらいしか知らない)って察して数日後には、『とある女子の想い人を奪う女』という流れで恨まれたのは序の口。


 千賀子からすれば名前ぐらいしか知らない男子に色目を使っているとかで見知らぬ女子から悪口を言われたり、何故か泣かれたり。



 そう、泣かれたのだ。



 顔どころか名前すら知らない女子の集団から『○○君を取るな!』と怒鳴られたかと思えば、そのうちの一人がいきなり泣き出したのだ。


 アレはもう、ある種の当たり屋ではないかと千賀子が思ったのも、無理からぬ話であろう。


 極めつけは、千賀子が誰それの愛人(社長だとか、地主だとか)をやっているとか、オジサンの娼婦をやっているとか……根も葉もないデタラメな噂、100%純粋な誹謗中傷である。



 それが耳に入って来た時は、正直なところ、怒るよりも笑ってしまった。



 これ見よがしに陰口を叩いていた女子たちから半ば逆ギレの形で怒鳴られたが、それでも千賀子は笑うことを止められなかった。


 だって、考えてもみてほしい。


 愛人や娼婦をやれるような女が、雑貨屋の娘として慎ましく暮らしているだろうか……いや、ありえない、ソレが出来る女は、見た目にも出てくる。


 それに、だ。そもそも、千賀子はそんじゃそこらの美少女ではない。


 仮に千賀子が本当にソレをやっているなら、その暮らしはもっと派手になっていたし、もっと金が掛かった物を身に付けていただろう。



 それを、千賀子は話してやった。


 すると、それはまあ怒る、怒る。



 挑発され返されたと思った女子たちは顔を真っ赤にして、『違うなら、証拠を見せろ!』とまで言ってきた。


 これは、いわゆる『悪魔の証明』である。


『○○ではない』ということを証明するのは非常に難しい。


 何故なら、『○○である』という疑いは無限に作る事が可能で、どれだけ否定した傍から、新たに疑いを掛け続ける事が出来るからだ。


 だからこそ、誰かを疑う時は明確な論拠なり証拠なり、疑うに足る理由が必要となる。そうでなければ、ただの誹謗中傷になってしまう。


 そして、この場合における『違うという証拠』なんてのは、実質的に証明することが出来ない。


 なにせ、元々が嘘であり存在していないのだから。


 それこそ、千賀子がこの場で全裸になったとしても、『本当に違うのか分からない』とさらに追及することだって……ゆえに、だ。



「えぇ……まさか、女子から変態たちと同じことを言われる日が来るとは思わなかったわ……」



 あえて、千賀子はこれ見よがしにドン引きする仕草を取った。それはもう露骨なぐらいであり、わざと一歩距離を置く動きすらした。



「変態たちって、本当に同じ事ばかり言うのね。嘘でないなら服を脱げ、嘘なら裸を見せろって、本当に変態たちって同じ事ばかり言うのね、ビックリしちゃったわ~!!」



 そのうえで、あえて千賀子は大きめに声を出して周囲に伝えた。



「私が美人なのを妬んでいるのかと思ったら……その、ごめんなさいね、私はそっちの趣味は無いから、ご期待に応えることは出来ないかな~」



 そのまま、クルリと……周囲の者たちを見回すと。



「でも、良かった。この場に変態は彼女たちしかいなくて。変態って、こういう時は便乗してくるから嫌なのよ。変態在るところには変態が集まるっていうものね~」



 これまたひと際大きく、これ見よがしに声を張り上げたのであった。



 ……とまあ、そんな流れで、だ。



 噂に便乗してちょっかいを掛けて来る者は皆無となり、そのかわり、コレを境に女子たちから(目を付けられたくないので)ほぼ総スカンされる結果となった。



 ……やり過ぎだったのではないかって? 



 それは、考えが甘いというものだ。その優しさを、やられていたし、やられかけていた千賀子に向けない時点で、偽善ですらない。


 そして、前世が男だったとはいえ、実際に女になった千賀子には、同性だからと容赦をする気持ちは全くなかった。





 ──で、話は戻って現在、高校一年生。


 そういう事情もあって、小学生時代からの友人である明美とも距離を(巻き込みたくないので)取っているが……だからといって、寂しくないわけではない。



(う、う~ん……気持ちはたいへん嬉しいけど、嬉しいんだけど……)



 けれども、それでも……素直に首を縦に振ることが千賀子には出来なかった。



 ──そう、これこそが、ついに表面化し始めた問題。



 これまでは千賀子の美しさに怖気づいてしまい、遠巻きにする生徒ばかりであったが……良くも悪くも、人は慣れる。


 今回はクラスメイトであり顔を合わせる頻度が高い男子が声を掛けてきたが……これが切っ掛けになるのは、もはや考えるまでもないだろう。


 ……ちなみに、あらためて言っておくが、本当に嫌ではないのだ。むしろ、声を掛けてくれて嬉しいというのが本音である。


 しかし、それでも、だ。



(クラスメイトに誘われて……そこから、どのような流れで誰かの恨みを買うことになるか……うう、自分で否定出来ないのが悲しい……)



 で、あるのだ。


 なにせ、千賀子は既にそこを通っている。ボッチになるのは致し方ないが、さすがに高校生になってからも敵視されるのは嫌であった。



 ……高校生になったら落ち着くって? 



 そりゃあ、中学生の時よりは落ち着いてはいるだろう。


 けれども、理性的と言えるほどに精神が落ち着いているかどうかは……正直、首を横に振るのが千賀子の正直な気持ちであった。



(でもなあ、あの手この手で断り続けた中学時代、それはそれで、お高くとまった女って感じで悪口を言われまくったしなあ……)



 いくら千賀子でも、『私が綺麗過ぎるあまり、みんなの交友関係を壊したくない!』とは、言えないわけで……だからこそ、悩んでしまうのだ。


 下心があるのは分かっている。うっすらとだが、男としての好意を向けられているのが分かる。


 そういうお付き合いをしたいかと問われたら、欠片もそんなつもりはないと断言するが……だからといって、勝手に理解したから勝手に断るというのも、失礼な気がしてならない。



 そう、千賀子はまだ何も言われていない。ただ、遊びに誘われただけのこと。



 下心云々は、男女問わず誰しもが持っているし、どちらかが、といった程度の話じゃない。


 そこに悪意があるかどうかが重要であり、『巫女』としての感覚で既に千賀子は察していた。



(……精一杯勇気を出してくれているしなあ……誘ってくれたこと事態は嬉しいし、無下に断るのは……なんか、申しわけない気持ちもあるし……)



 だからこそ、ちょっと……そう、ちょっとだけ、千賀子は。



「うん、いいよ」



 己も高校生になったのだし、神通力によるガードも可能になったし……そう己に言い訳をしつつ、千賀子は……本当に久しぶりに、年相応に心がはしゃいだのであった。



 ……。



 ……。



 …………その日の夜。



「あ、そうそう、今度の日曜日、クラスメイトのみんなと一緒にボウリングに行くことになったから」

「え? ボウリング? それって、隣町に出来たやつか?」



 晩御飯の最中、何気ない感じでポツリと告げた内容に、父がなにやら食いついた。


 その横で、祖父母はチラリと視線を向けただけで、それ以上は特に関心が無いようで……母も、会話に耳を澄ませているだけのようだ。



「うん、お父さんは行ったことある?」

「いや、ない。それよりも、お金とか大丈夫か? 足りなさそうなら、遠慮せず言うんだぞ」

「大丈夫、この前のパンの売り上げがあるし……融通してもらいたい時はちゃんと言うから、ありがとうね」

「そうか、それならいいんだが……」



 ちょっとばかり寂しそうにする父。会話だけを聞けば、娘に激甘パパといった感じだが、実態はむしろ逆だ。


 娘に何かしてやろうと思っても、気付けば、娘は自分でそれを成せる状態になっているからこその発言なのだ。


 なにせ、なにかしら問題が起こっても自力で解決しているうえに、なんだか知らないうちに幾つもの収入源を確保している娘なのだ。


 詳しく聞けば聞くほど、考えれば考えるほど、何もかもが意味不明過ぎて性質の悪い冗談かと思ってしまうが……全て事実なのだから、余計に寂しさを覚える父なのであった。



 ……ちなみに、だ。



 既に秋山家では、千賀子のやる事成す事はだいたい『まあ、千賀子だし……』と半ば疑念を放棄されてしまっているが、まあ、そんな感じであった。



「ところで、隣町ならバスで行くのか?」

「ううん、朝に自転車で行くよ、午後になると大人たちで混み始めるらしいから」

「そうか……ん? 自転車? ああ、それならちょっと取り外してオイルも差しておこうか。鍵は、玄関に置いておくからな」



 父のソレは、お節介ではなく親切である。


 というのも、実は1965年の日本はバイクや車が普通に市場へ出るようにはなったが、実は自転車も普通に値段が高かったのだ。


 現代の価格で言えば、おおよそ7万~10万ぐらいだろうか。もちろん、電動機の付いていない、ママチャリの値段が、である。


 一家に一台(そこに、子供用でもう一台)な場合が多く、日常的に必要といった事情でもなければ、家族全員で1,2台を兼用しているところも珍しくはなかった。


 そして、それは千賀子の家とて例外ではなかった。


 秋山家にある自転車は配達用と、母が買い物などに使っている自転車だけ。


 千賀子が一日中使用出来るのは配達用のやつであり、自転車と聞いて、配達用に取り付けられているカゴ等(邪魔になると思って)を取り外しておこうと提案したのも、父なりの親切心からだった。



「あ、それはいいよ」

「え?」

「朝に迎えに来てくれることになったから、それに乗って行くんだよ」

「へえ、そうなのか? でも、大変じゃないのか? 千賀子がいくら女の子だからって、人を一人乗せていくとなると──」

「ん~、大丈夫じゃないかな? 滝田くん、体操やっているし、体力には自信があるって言って」

「待て」

「──いた、ん、なに?」

「……滝田たきだ、くん?」

「??? 滝田くんが、どうかしたの?」

「……お、男が、迎えに? 千賀子の、迎えに?」

「うん、皆で行くけど、誘ったのは俺だから責任もって送り迎えしてくれるって……え、ちょ、お父さん、どうしたの? なんか持っている箸から変な音がしたんだけど?」

「駄目」

「え?」

「行くの、駄目。お父さん、許さない」

「え?」

「まだ高校生の千賀子には、早いんじゃないかな?」

「お父さん?」



 なにやら急に不穏な気配を見せた父。


 大きなため息を零した母より、お盆で頭を叩かれて父が正気に戻るまで……千賀子は困惑するばかりであった。





 ──────────────────―




 千賀子の知らない神社の秘密(ヤキ入れ済み)・その3






 千賀子の神社は実のところ、女神の加護という名の不可視の結界が常時張られている。


 とはいえ、これは別に他者を弾くモノではないし、悪しきモノを焼いてしまうものでもない。


 この結界は、千賀子がなんらかの理由で外界を嫌い、神社に引きこもってから一定の日数が経過することで自動的に発動する、ある種の隔離壁みたいなモノである。




 ──と、いうのは昔の話。




 あんた過保護にも程があるだろうというロウシの溜め息混じりのヤキ入れキックにより、神社の強制ひきこもり機能は消失している。


 今では何らかの要因で千賀子が引きこもっても外への出入りは自由であり、むしろ、長時間ひきこもると『運動不足は駄目!』という観点から、一部がアスレチック仕様に変化する機能が搭載されている。


 たとえば、スクワットを10回しないと冷蔵庫が開かなくなったり、約5000歩は歩かないと強制的に境内にワープさせられたりといった機能である。


 また、気分が落ち込む時は妙に身綺麗な動物が慰めに来たり、ロウシが背中に乗せてくれたりと、アニマルセラピーのような事も行われるのだとか。



 ……かってに子供は出来ないのかって? 


 ──千賀子しかいないのに、出来るわけがないでしょ。



 ただ、それでも気分が上向かず落ち込んだままだと、焦れるあまり受肉した女神様が慰めに来るので、注意が必要である。


 ちなみに、ロウシとの舌戦(連戦連敗記録更新中)で『おね×ロリ(きらら概念)』を知ったらしく、女神の脳裏に電流が走ったのだとか。 






※受肉した女神様は身長が最低4m前後、腕は少なくとも16本以上あるうえに、人間一人を包み込めることが可能なスタイル。


 捕まったら最後、千賀子はバブちゃん確定である。


 なお、その時はロウシのヤキ入れキックが発動する模様。


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