第3話 加入
「へーーこれが噂の従妹ちゃんね。かわいいわね☆」
「姉さん、初対面の人に抱きつかないでよ」
「京子は言っても聞かないだろ」
「そうだけど言っとかないと・・・」
俺は巫来を連れて京子と新の家に来ていた。
京子って言うのは此間俺と一緒に依頼をこなした一つ上の女の子で新とは姉弟である。
「それで本題と行きたいんだが」
「あ、ごめん」
「セイ君メンゴメンゴ♪」
京子は反省の色もなく巫来に抱きついてながら謝る。
これもいつものことなので触れない。
「はぁ・・・まぁいいか。本題に入る前に・・・」
俺は京子と別れてから謎の神社に行ったこと。
そこで高レベルの独自世界を構成してる虚界のこと。
そして巫来のことを二人に話した。
「そんな、高レベルの虚界が誰の目にも留まらず存在していたなんて・・・・・・」
「巫来ちゃん凄いね!」
「姉さん、関心している所では・・・・・・つまり巫来さんを仲間に入れたいと言うことだよね?」
「ざっくり言うとその通りだ」
「私は大賛成!こんな可愛い子がいるならお姉さん仕事張り切っちゃうよ〜〜!」
「しょうがない。モフられてやろう」
「ありがたやーありがたやー」
巫来も満更では無く小言を言うが京子はそれに感謝しながら頭を撫でほっぺをすりすりする。
まるで新しくペットが家族になった幼子のようだな。
そんな姉の姿に新はなんとも言えないようだが。
「・・・・・・・・・まぁ、姉さんのことは置いといて。巫来さんを入れることにはそれなりの理由があるんだよね?」
「まぁな。巫来の能力は有能だし、俺たちの活動をサポートしてくれるだろう。それにあれだけの世界を構成できるんだ。力不足ってことはないだろう。それにこのまま放置しとけば、もしかしたら厄介な奴が狙ってくるかもしれない」
「でも、僕たちの仲間と言う肩書があれば容易に手出しできなくなると」
「そういうことだ」
「…ふむ、そうだね。今聞いた能力も全体一部かもしれないし僕も異論はないよ」
これで満場一致。
俺は巫来の方を向いて言う。
「巫来、改めてよろしくな」
「うむ。よろしく頼む」
「よろしくね〜〜巫来ちゃん!」
京子はさらに巫来にすりすりする。
「よろしくね巫来さん」
「巫来でいい」
「じゃあ、よろしくね巫来」
「うむ。よろしく」
巫来は京子に撫でながら新に差し出された手を握り握手をする。
「謙醒」
「?」
巫来がグッチョブを向ける。
「よろ」
「ああ、よろしくな」
俺も巫来とグータッチをする。
「そんじゃあ、新メンバーも加入したことだし初任務の依頼を選択しますか」
「そのことなんだけど。巫来の存在を力強く残す為に、最初はド派手にいかない?」
新がスマホを取り出して一つのライブ動画を見せる。
「これなんてどうかな?」
これは有楽町のビックカメラか・・・・・・
「ターゲットの情報は入手済み。その人のお母さんが2週間前に依頼くれてね。予想通りドリーマーだったってオチだね」
人通りの多い場所のど真ん中か、これは国が動くのはほぼ確実だな。
「そうか。国の動きは?」
「今日の夜11時に決行だよ」
「了解」
俺と新はモフられてる巫来とモフっている京子をみる。
「決行は今日の夜11時の有楽町、ビックカメラ前」
「初任務だね巫来ちゃん!」
「うむ。最善を尽くす」
「その前にコードネームを考えなくちゃね」
「そうだった・・・」
新の指摘に京子がハッとなり考え始める。
「プリティーラブちゃんで!」
「「それは無理(駄目です)」
(シュンッ)
新と巫来に否定されシュンとなる京子。
こいつは俺以上にネーミングセンスがないんだよな。
「やっぱりここはセイに決めてもらおうかな」
「またかよ・・・」
「生憎、僕も姉さんもネーミングセンスは・・・ねぇ」
「俺も自信はねぇけど・・・」
「謙醒ならいい」
「ほら、巫来もこう言ってるし」
「はぁ、仕方ない。なら巫来、お前の衣装を見せてくれ。ちゃんとあるんだろ?」
「りょ」
俺がコードネームをつける時は本人の性格や活動時の衣装を元に決めてる。
巫来が変身する。
「おおーーこれは」
「いいですね」
「綺麗だよ巫来ちゃん!」
なるほどこう来たか・・・・・・なら。
俺は3人に考えたコードネームを言う。
「いいですね」
「異議なし!」
「流石、グッチョブ」
「決まりだな」
そして今日、俺たちは夜の有楽町に出向く。
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