退魔士って?

「記憶が戻ったばかりの翔の為に世界の情勢を説明するわよ」


 どっから取り出したのか教鞭を握る神鳴の説明…


 倒した神螺の世界を引き継いだのか新たな敵が定期的に敵を送り込んできている。

 その魔物を撃退するためにランダムに選ばれた人が現在世界全体で退魔士(さっき命名)として頑張っている。

 退魔士(仮)になれば身体能力が飛躍的に上がり武器を呼び出すことも可能。


「なるほど、スポーツ選手涙目だな、銃刀法も回避してやがる…」


「じゅーとーほー?は知らないけど魔物と戦う時だけという便利システムよ」


 キョトンとする神鳴に翔は勉強が足りないと嘆く。


「法律の勉強しとけ、しかしよくこんなにご都ご…」


「それ以上言ったら教鞭でしばくわよ?」


 次に資金について、魔物の被害による危険度などで報酬が変わる最安値では数千円から現在の史上最大報酬は三十万程。

 国の税金から払われているが現在組織化の流れがあるそうだ。


「なるほど、個人事業から組織派閥…人間同士で争わないか?これ?」


「そうね、でもこの世界の人間の意思まではねじ曲げれないわ。共通の敵相手に頑張ってもらわないと」


 ダメじゃんと翔は冷や汗を垂らす。


「…そう言えば現在確認されているのはどういうのが現れたんだ?」


 小規模の侵攻が現在の基本として単体で…

 小型はゴブリンや餓鬼や妖精、獣型の未だ命名されていない魔物等もいる

 中型はリザードマンや半魚人、鬼や牛のような魔物など。

 大型は未確認だが海外ではワイバーンなどが出た噂もあるらしい。


「なんか和洋中…ごちゃ混ぜで凄いな…一体どんな管理なんだ…」


「私に聞かれても、群れで現れてないから小型多めの日本は被害少ないみたいだけど…」


 出現のルールも何も無いと肩をすくめてアピールされる。


「…人里から離れて巣を作ってる可能性は?」


「無い…とは言いきれないけど事象として人の多いところに出現してるという統計があるわね」


 どこのどんな統計だよと翔はツッコミをしたくなるが話がとっ散らかると諦めて知人について尋ねる。


「そう言えば一緒にテセラ行った皆と向こうから来ちゃった二人はどうなったんだ?」


「…さぁ、皆記憶消えて二人はそれなりの人生を与えたけど、私見てないから」


「結局俺しか監視してなかったのか」


 結局のところ何も分からず仕舞いとの事で…

 一通り退魔士と侵攻について説明が終わる。


「そういえばさ…どうして一般人の髪の色とかカラフルになってんだ?」


「世界構築の為に使った資料が…その…」


 漫画、アニメ、ゲーム、見た目の年相応の範囲の知識ということらしい。


「こんな世界なのはその為か!」


 翔は元に近付けるとは何だったのかと叫ぶ。


「酷い!こんな世界だなんて!…ダメ?」


 駄目だろと言いたいが我慢することにする。


「ああ、もう!とりあえず明日の学校終わってから仕事開始だな!」


 ヤケクソ気味に神鳴が求めている言葉を放つ。


「魔物倒したら役所に報告するのよ」


「そういう社会的に面倒臭い手続きあるのかよ!?」


 組織化する理由をなんとなく理解した翔だった

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