第20話 死者との会話

「おーい、戻ったぞー。」


「お、来た来た。準備できてるよ。」


「フィアさーん、ただいま戻りました!」


「ちょっとアリア!遅かったじゃない、どうしたのよ!」


「あはは、ちょっと色々ありましてね。でも皮はちゃんと必要分剥いできましたよ。」


「もー、心配したんだからね。」


「次から気をつけますって。」


(今回みたいな気をつけようのないやつが来たらどうすんだよ。)


「じゃあその皮作業部屋に持って行ってね。」


「はいはーい!」


アリアは大量の皮を地下の作業部屋に置きに行った。


「さてと、初めよっか。死合玉。死者との会話を。」


俺たちはフィアの部屋に案内された。部屋の机の上には水晶が置いてあった。


「ここに死んだ人の魂を落とし込む。えと…名前はなんて言うの?」


「No.17。」


(これが人の名前…?じゃないよね。今まで何があったんだろこの子。)


「17ちゃん、この球に手をつけて。そしたら私があなた達の会いたい人を呼び起こす。」


死合玉は水晶に触れた人の今まで出会った人を読み取り球の中に呼び起こすということをする。読み取ることができる人間は限られている。使用者は触れた人の膨大な記憶を読むため狂う人もいる。


No.17は水晶に触れる。


(記憶を読む…魔力を流し込む)

水晶の中が曇り光り始める。フィアの頭に記憶が流れる。酷い扱いを受けている様子が多い。吐き気がするがまだ続く。まだ会いたい人は出てこない。まだ、まだまだ…


産声が聞こえる。1人の男の姿が見える。


「きた!この人を呼び起こす!」


水晶の光が無くなる。


「どうなったんですか?呼べたんですか?」


「これは…成功だな。」


水晶から声が漏れる。


「どこだここ?」

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元社畜が開く何でも屋 〜しょうもないことから危険なことまで何でも承ります〜 ティコン @konoyuichiro1025

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