第15話 こんな大きな声出していいとこだっけ?

「起きて下さーい!いつまで寝るつもりですかー!」


もう朝になった。さっきまで女神のやつと話してた気がするけどもう朝。寝た気がしない。


「ふぁあ…。じゃ飯食ったら行くぞぉ。」


「私たちもう食べ終わりましたよ。早くしてください。」


「2人とも早すぎだって。」


急いで着替えて家を出た。


「今日はお休みですっと。さ、行こうぜ。」


教会はここから2時間歩いたところにある。時間がかかるし面倒な人がいるし普段あまり行く気にはならない場所だ。


「ここが教会ですかー。おっきい建物ですね。」


「初めて?」


「初めてです!」


(自分の能力知るためにみんなここにくるはずなんだけどな)


そんなことを考えながら中に入った。


「誰かいませんかー?」


…返事無し。と思ったら


「ちょっと待ってて下さーい‼︎」


下さーい…下さーい…

教会中に響く。こここんな大きい声出していいとこだっけ?


女がドタドタ階段から降りてくる。


「お待たせしましたー!ってガゼルじゃない。どうしたのよ急に。それにそこの2人は……知らない間に家庭を作ってたなんて。」


「違うわ。相変わらず勘違いの激しいやつだよ。そんなんだからいつまでも結婚相手が見つからないじゃないのか、フィア。」


「うるさいわねぇ。で、今日ば何の用で来たの?」


「死んだ人の声が聞けるやつあったろ。それをやって欲しいんだ。」


「あー、『死合玉』?いいけどあれすっごく時間かかるよ。6時間くらい。」


「構わない。やってくれ。この子の親と話をしたいんだ。」


(親と話か…訳ありそうだねぇ。全く、こいつも昔っから変わんないねぇ。)


「それに今なら面倒な奴が居なそうだしな。」



「…あ!そうだった思い出した。そうだ手続きしてるんだった!」


「は?」


なんか嫌な予感がする。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る