第2話 アリスとハロウィンの夜
アリスは気づいたら墓地に立っていました。
「あら、私しいつの間にかこんなところに」
ひとり事を呟きつつ家に帰らなくちゃっとアリスは思い、墓地の中を当ても無くさまよい歩き周りました。でもなんか変なのです、少し歩くと透明の壁に遮られ、先に進めなくなるのです、方向を変えるとまた歩けます。たまにくちた墓石のかけらが足に当たります。
「なかなか出口が見えないわね」
とアリスが呟いた時、捨てられ積まれた墓石の隙間に宝箱を見つけました、その箱を両手で掴み引っ張り出すと簡単に取り出す事ができました。開けて見ると中には土が詰められていました。
『きっと底に何かいい物が埋まってるんだわ』と思い、両手で水をすくう様に全ての土を外に出したけど結局は底まで空っぽでした。
「なんだがっかり、疲れただけだったわ」とアリスが溜息をついた時、周りの地面が、あちらこちらボコボコと盛り上がり、色々な形をした奇妙な人達が出て来ました。アリスは前に読んだ本で知識があり、それがすぐにゾンビだとわかりました。
「私、齧られちゃう」と思い、怖くなり震えながらも、見ていたら……熊のゾンビ、ロボットのゾンビ、女の子のゾンビ、ゾウのゾンビ、つぎはぎだらけのゾンビのゾンビ、と色々と見えました。
アリスは「あの人達が私を食べるのね」と思ったらアリスは、食べられるならいっそう先に食べてあげるは、おやつの様に先にお腹に入れた人の勝ちよと思い、「ママが揚げてくれるドーナツは私が、いつも一番いっぱい食べてるんだからね!」
アリスは決心してゾンビ達に食ってかかりました。
「私は強いだから、あなた達なんか怖くはないわ」
必死に喰らい付き、ゾンビ達の手や足を引っ張り、アリスは、なんとか全てのゾンビをバラバラにする事ができました。
「見た、私は強いのよ」
アリスが一息ついた後、念の為周囲を見渡したら少し先の丘の天辺に地に刺さっている剣が見えました、アリスはその剣がとても欲しくなり、少し頑張って丘を登り、その剣を抜き取ってみたら懐かしい感じがして剣を空に掲げる様に見上げた時、夜空に流れ星が見えました……
その星を見ていたら、ユータンしてアリスに向かって来ました。
アリスは思いました、「ゾンビの次はあなたが私と戦うの?」食いしん坊なアリスは日頃から星を見ながら、いつも星はどんな味がするのか想像していたので、ちょうどいいと思い、
『粉々にして金平糖にしてあげるわ』とそんな気分で勇敢に、星にも向かって行きました、そして東洋のナイトの決闘の様に月の下、星と重なりぎわにタイミング良く突いたら、剣は星の真ん中に見事、刺さりました、でも刺さったまま今度は抜けなくなってしまいました。その時ほっぺたに衝撃が走り、目の前が明るくなりました、目の前にはアリスがいつも遊んで振り回している、おもちゃの剣を持った、姉の顔が見えました。
周りも見渡したらバラバラになったアリスがいつも遊んでいる人形達が、見るも無惨にバラバラになっていました、姉は言いました。
「また寝ぼけて、あんたこんな事、お母さんに怒られるわよ」
[END]
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