尊い国の住人達とアリス
仙 岳美
第1話 うさぎとアリス
ある晴れた昼の午後、姉とピクニックにアリスは来ていました。
でも何かボーとしています……。
外でサンドイッチを食べてもあまり美味く感じません……
心が病んでいる様です……
姉が羨ましいくらい元気です、その姉の膝枕でアリスはウトウトしていたら目の前を兎がよこぎりました。
アリスは、なにかそのウサギに無視された様に感じムッとしました。
兎を追いかけました。
「あー アリスダメー」
後ろで姉が戻るように叫んでいます。
兎は木の根の辺りの狭い穴の中にもぐり込んでいきました。
アリスは兎の真似をして穴に頭を突っ込んでみるとグッグと入って行く事ができました。
目の前に白い霧が広がり視界を包み込みました。
でも、アリスは、めげずに這って芋虫みたいに進みます。
その先には微かに栗色の細い木の根っこが沢山見えてきました。
その根を顔で掻き分けて更に奥深くまで進んでいると。
遠くて姉の声が聞こえてきました。
「止めなさい、アリス!」
無視して進みました。
何か中は蒸し暑く蒸れていました。
奥にピンク色の扉がありました。
舌先を使って何とか開けたら、上から赤い半剥けの林檎が垂れ下がっていました、アリスは喉も渇いていたので、そのリンゴに舌を伸ばし舐めてみました。
その瞬間、身体がフワっと浮かんだ感じがした後に下に真っ逆さまに落ちていく様に感じました。
ドッスンー☆
気づいたら姉の膝枕から頭が落ちていました。
全て夢だった様です。
どうやらアリスは寝ぼけて姉の股ぐらに頭を押し込んでいた様です。
姉は恥ずかしそうに赤い顔をして股間をおさえながらアリスに言いました。
「もうっおバカ」
[END]
2022・11・23✍🏻
別視点version🃏
ある晴れた昼の午後、姉とピクニックにアリスは来ていました。
何かボーとするー……
サンドイッチあまり美味くない……
頭がなんか痛い……
おねいちゃんは元気でいいな……
膝枕は気持ちいい……
なんか眠い……
あれ? 兎だ!
私に見向きもしないで行っちゃった……
あの兎、私を無視した!
捕まえてやるわ!
「あー アリスダメー」
おねいちゃん、いつもうるさい!
少しは自由にさせてよ、無視だわ!
あ、あの兎、木根穴に入ったわ!
私も入れるはずよ、こんな穴。
少しきついわね、でも芋虫みたいに這えばいいのよ、
ほら進めた、私にできない事はないんだからね!
なんか凄い霧だわ、真っ白……
負けないわ!
ナニこの細い木の根はチクチクする……
負けないわ!
進め!私、
なんか蒸れて暑いわね、
あれれドアだ、真っ赤か…
こんなの舌で開けてやるわ!
あ、剥けた林檎があるー
半分剥けてる~
食べてって事ね
美味しそう……
いただきまーす♪
「やめなさい! アリス!」
あ、
穴に落ちた!
私し落ちてく~
ドスンー☆
『イタッタ』
「もう! 人の股に頭、突っ込まないでよ、アリスのバカ! どこ舐めてのよ!」
【END】
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