やっと水族館を楽しめるけど時折ミアが辛そうな顔をする

第十八話やっと水族館を楽しめるけど時折ミアが辛そうな顔をする


私とミアは二人で水族館を回ることになった。

なんだかこの感じ久しぶりな気がする

「ねえラウダあの生き物可愛いよね!!」

……そうかな私はそう思ったけどさすがにこの笑顔で言われたら口が裂けても可愛くないなんて言えません!!

その生き物はゴキ・ブリという名前の魚だ。名前の由来は見つけた人がこの生き物の見た目がゴキブリに似ているブリだったことからこの名前をつけたらしいけど……驚くことに味は見た目に反して絶品だと言う。

食感は……食べたことがないからよくわからない。

いつか食べてみたいけど……見た目が見た目だからな

……もしかしてさっきレンが見てたのって……まあいいか

「そうだねミアこの生き物そのかわ……いいね」

「……本当はかわいいなんて思ってないでしょ、ラウダ。まあ、どう思うかは人それぞれ違うもんね。じゃっ他の生き物も早く見に行こ!!」

ミアがいつも以上に楽しそう

私は特におすすめされたトリハダザメが気になる。

まあ全部周ればいいよね

子供たちはレンに任せてあるし……心配なのはレンが子供たち全員の相手が出来るかどうかなんだよね。

全員は無理だろうけど……そういえば子供たちの中に子供たちをまとめ役になりそうな子がいたしその子がレンに協力してくれたらいいんだけど

「ねえラウダ今は考えごとは後にして思いっきり楽しもうよ。……嫌なことがあったんでしょ、それを少しでも忘れられるように私が楽しませるから!!」

ミアがすごく楽しそうだけど……

「ねえミアって長い年月生きてるならこういうところ何回も来たことあるんじゃない?」

するとミアが

「……あるよ……あるけど一緒に行ったみんなはもう死んじゃったから…………だからあの時もっとああしてたらみたいに後悔するのが嫌だから今を全力で楽しむんだよ!! 私が忘れない限りはあの子達は私の心の中で生きてるから……でも本音をいうとあの子達にも見てほしかったしここにも一緒に来たかったよ……本当にラウダは気にしないでいいからね!! さっ早く行くよラウダ」

気にしなくていいって言われてもそんな今にも泣きそうな顔されたら気にするよ。

でも今日のことでミアが私のことを覚えてくれるなら……私は昔から死ぬことよりも忘れられることの方が怖かった。

まあ十三歳の時に死にかけてその時

『私が死んだあと忘れられたら私って最初から存在しなかったことになるのかな……それは嫌だ。いつ死ぬか分からないんだったらどんな形でもいいから誰かの記憶に残りたい……ってもう遅いよね。でも今までの苦しみも悲しみも無かったことにはなってほしくないな……でももうすぐ私は…………』って思ったんだよね!!

まあそのあと家族が助けてくれたからよかったけどあの出来事から死ぬより忘れられる方が怖いって思うようになった。

やっぱり私の死因ってのぼせと貧血で意識失って頭打ったことだよね。笑われるかもしれないけど覚えてもらえるし……ああもう今やっと楽しめるようになったんだからミアと楽しまないと!!

「……それじゃあミア行こっか」

そして私とミアが次に見た生き物の名前はカレーイ

カレー味のカレイだからこの名前らしい。

すぐ近くに試食会があるみたいだから行ってみることにした。

その試食会ではこの水族館で展示してる生き物が使われた料理が食べられる……まあ、その生き物の以外な一面的なところが知れるからいいのかも?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る