北大帝共和国

 太平洋上で、互いの全兵力が全面衝突する総力戦が行われようとしている。


 太平洋上には二つの島国があった。かつてのヨーロッパの大帝国から分離し、強大な国力を保持する北大帝共和国。強大な軍事力と国力で、非常に豊かな国だった。多くの島を飛び石のように挟んでその遙か南にあるのが、事実上の独裁国家、四徴連邦。


 この2カ国は、基本的に対立を続けていた。北大帝共和国は、その地理関係と、産油国でもあることから、四徴連邦は北大帝共和国を狙っていた。というのも、四徴連邦というのは内戦を繰り返し荒廃していた国家であったから、石油を欲していたのだ。


 遂に、北大帝に最後通牒さいごつうちょうが手渡されたのは、1945年の4月の暮れだった。春の空気が漂い、春風が首都・帝都を吹き抜けていった。


 陸軍の諜報部である陸軍情報部は、既にこの情報を得ていた。陸海軍はその情報の元準備を進めていたし、外務省も慌てながら覚悟を決めようと必死になっていた。


 彼らは開戦するつもりであった。四徴連邦と対決することが決定した。互いに、陸軍の兵力を総動員し、艦隊を軍港に集め、戦時体制準備に入った。いつ始まってもおかしくない戦争であった。総力戦も辞さない構えになっている。


 そしてついに、1945年5月――四徴連邦が北大帝共和国に宣戦布告せんせんふこくした。太平洋での決戦の口火が切って落とされたのだった。


 この物語は、北大帝の陸軍が、海軍がどのように戦うのか、それらを作戦や戦闘を追っていく、総力戦の物語である。




https://kakuyomu.jp/users/Himajin-104/news/16818093089646504704


この物語の地図です。参考にしながらご覧下さい。


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