洋上の城 北大帝・四徴戦争の記録

@Himajin-104

世界観説明

北大帝共和国

北大帝共和国は、太平洋に浮かぶ諸島国家である。島国でありながらも、並外れた国

力、工業力に、強大な軍事力を保持している。

 

 時を遡れば、この島国が「国」という形を持ったのは、1946年当時より、300年前である。そのころ、ここは世界地図に載らない無人島であった。ここに、ヨーロッパの一国であるダラナダ帝国から派遣された、エクトル・ピカロ・サバテルらダラナダ海洋冒険隊が上陸した。時として、1625年の大航海時代である。

 

 この海洋探検隊は、直ちに領有を宣言。この島は、「ダラナダ帝国領ダイテー島」となった。「ダイテー」とは、ダラナダでのこの海域の呼び名である。とにかく、この島は初めて国の一部となった。この地には、本土より遠いので、本国より政治家を派遣され、それを総督とした。

 

 本国から、多数の火砲、小銃などを輸入し、軍は、制式武器を使用した。これで、軍事力では太平洋一のクラスになった。移民も増え、技師も派遣され、島で兵器生産や造船も行われた。軍艦を整備し、艦隊もつくった。


 そして、ダラナダ帝国は、ここを太平洋侵略の足がかりとして、周りの孤島に進出していった。そんな時だった。

 

 1805年の、ナポレオン戦争に、ダラナダ帝国は巻き込まれた。勢いに乗ったフランス軍を抑えられず、軍は敗走、ダラナダ帝国は滅亡した。この報は、やっとの思いで逃れてきた軍艦サポロージェ号によって、ダイテー島にも伝えられた。


 この報を聞いたダイテー島総督のヨハン・ロード(のちの初代首相)は、本国への応援を断念し、「ダイテー臨時政府」を設立、ヨハンを首相にして、共和国となった。そして、島の防備を固めた。このまま、残党であるこの島に攻め込んでくると考えたのだ。

 

 だが、来なかった。どの国もナポレオンを止めるので精一杯だったのだ。欧州諸国がナポレオンを止めてウィーン会議をやってる間、ダイテー臨時政府は政府や機関を整備し、正式に「ダイテー共和国」として独立した。この国には、旧ダラナダの国民が、大量に流れ込んできた。なので、人口はさらに急増した。


 そのために食糧増産計画を行うなど、忙しい毎日に追われていた。時として1840年。テート(後の首都である帝都府)は、800万人が住む国際的な大都市となった。ヨーロッパ風の街並みで、蒸気機関を利用した大工場も建っていた。東部では、大規模な油田が多く発見され、その採掘ラッシュになっていた。


 そして、時代は1900年を迎える。既に、前弩級ぜんどきゅう戦艦で構成される近代海軍を持っていた北大帝共和国(ダイテー共和国より改名)は、列強の一国として、その名をとどろかせていた。そして、石油などから、この国を狙う国も多かったので、多方面で戦闘になっていた。


 1914年に発生した第一次世界大戦では、協商国側で参加、日本と共に、ドイツ帝国領南洋諸島への上陸戦に参加した。そして、飛行機、戦車、機関銃などの最新兵器の技術を取り入れ、生産し、軍備をさらに強化していった。そんな時である。


 ある国との対立が激しくなった。四徴連邦である。諸島を挟んだ南側にある国で、太平洋の覇権を北大帝と争い始めた。なので、負けじと軍備を増強し始めた。強化に強化を重ね、兵を鍛えて、建艦しまくり、新技術も研究して、世界トップレベルの連合艦隊と陸軍を持った。


 そして、ついに、1945年5月、四徴連邦が北大帝共和国に宣戦布告した。太平洋での決戦の口火が切って落とされた。この物語は、この戦争を記録すると共に、この北大帝共和国に焦点を当て、追っていくものである。


この物語はフィクションです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る