洋上の城 ある戦争の記録 

@Himajin-104

世界観説明

北大帝共和国

 太平洋上で、互いの全兵力が全面衝突する総力戦が行われようとしている。


 太平洋上に、二つの島国があった。一つは、かつてのヨーロッパの大帝国から分離し、強大な国力を保持する北大帝共和国。多くの島を飛び石みたく挟んで南にあるのが、事実上の独裁国家、四徴連邦。


 この二カ国は、基本的に対立を続けていた。北大帝共和国は、その地理関係と、産油国でもあることから、様々な国との紛争や戦争に明け暮れていたが、そもそも強大な国力・軍事力を保持しているので、これを撃退し続けていた。


 この国々と同じように、四徴連邦も北大帝共和国を狙っていた。といっても、事実上独裁のこの国の頭が勝手に決めたことであるが。陸海軍の賛同も得ずに、行動に移ってしまったのである。


 遂に、北大帝に最後通牒さいごつうちょうが手渡されたのは、1945年の4月の暮れだった。陸軍情報部も、「四徴連邦に開戦の動きあり」ということを掴んでいたので、ああ、来たか、といった具合であったが、外務省の連中は、あちらこちらを駆け回り、陸軍参謀本部の面々は、仕事が増えて阿鼻叫喚あびきょうかん、陸軍総司令部の面々は、首相と共に開戦後のことを打ち合わせていた。


 そう、彼らは開戦するつもりであった。四徴連邦と対決することが決定した。互いに、陸軍の兵力を総動員し、艦隊を軍港に集め、戦時体制準備に入った。いつ始まってもおかしくない戦争であった。総力戦も辞さない構えになっている。


 そして、ついに、1945年5月、四徴連邦が北大帝共和国に宣戦布告した。太平洋での決戦の口火が切って落とされた。この物語は、この戦争を記録すると共に、北大帝共和国の面々が、どのようにして四徴連邦と戦っていくのか、という、この北大帝共和国に焦点を当て、追っていくものである。


この物語はフィクションです。

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