閑話 その頃、女神達は
「女神様ー?失礼しますねー」
「お食事の方持ってきましたよー」
「ムムム……うん、ちょっと休憩」
ここは、地球とは違う異世界『パラベラム』。現在、地球にてクソボケを噛ましている御神楽各務が、かつて『氷の勇者』として名を馳せ、世界を救い、そこそこ平和になったこの地。
このパラベラムにて、四大聖王国と呼ばれる中の一つ、最終的に、各務が拠点として活動していた『アガドラム聖王国』。その中心地にあるアガドラム城の一室────特に、聖の気で満ち溢れているこの聖堂にて、二人の男女が食事と飲み物を持って入室する。
「はい女神様。お口をあーんとしてください」
「あー」
「進捗の方はどのような感じで?」
「もぐもぐ……んー……あー……ちょっと待ってね。あたまはたらかない……」
集中し、よほど疲れているのか男の質問に対し暫く目を閉じて何も答えないまま数分過ぎる。やがて、パチリとその髪色と同じ水色の瞳を見開かせると、ぷくーと頬を膨らませた。
「徐々に……ほんとーに徐々にだけど、各務のいる地球には近づいてると思う。気配が曖昧すぎて探すの大変だけど」
「私も何かお手伝い出来たらいいんですが……」
「お姫ちゃんはこうして私を癒してくれるだけでいい。助かってる」
「それを言ったら俺は何の役にも立ってないんですが」
「のーきんは民を守ってくれている。よくやってる」
「脳筋言うのやめろください」
各務の悪影響が残ってやがるな……?と女神────このパラベラムの最高神にて各務が愛してやまない『シャディア』にてジト目を向ける。余裕で不敬断罪案件ではあるが、各務で繋がったこの縁だから許されているところはある。
本来であれば、余裕で氷像が出来上がる。
「………む?むむむむむ????」
「女神様?」
「……私の血が疼くのを感じる……各務?」
突如として、謎の電波を受信したシャディア。その頃は、各務がちょうど詠唱していた。
「……ごめん、少し集中する……今なら、各務をもっと────」
二人の間に繋がる、目に見えないその
それは、紛れもない二人の愛の形なのだから。
「あ、こっち……?うん、感じる感じ────は?誰か私の各務に粉掛けようとしてる?」
「は?????」
「おっと、近寄らないでおこう」
二人の空気が突如として変わったことに、脳筋改め、各務のパーティーではタンク役として数多の攻撃を受け止めた男────ジェイドはコソコソと聖堂を抜け出した。
「女神様ー?一体どなたでしょうか?」
「分からない……けど、渡さないもん……!」
「むきゅっ!?」
少しあと、顕現する力を失ったフェイルノートは、自身の陣地である生まれ故郷へと戻ってきていた。
「くっ……!あ、諦めないもん……!べ、別にあの一瞬だけでほ、ほほほほほ惚れたとか……っ!そ、そそそそそそそういう事じゃないけど……っ!」
語るに落ちるとはまさにこの事か。
「絶対に、加護を付けるんだから……!早く迎えに来ないさいよ勇者様ー!!」
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Q.つまり……?
A.とても物騒
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