第20話 Sランクダンジョン攻略配信

 ダンジョンの登場から三日後。遂に俺達に攻略の要請が政府から来た。


 この三日間。自衛隊と警察で連動し、日本に登場したダンジョンの探索と、付近の封鎖、そして難易度調査が完全に終わった。


 日本にあるダンジョンの数は54個。最低でも都道府県に一つずつあり、東京に三個、大阪に二個、北海道に五個あるらしく、その一つ一つにご丁寧に攻略難易度まで表示されていたらしい。


 難易度区分は、E~SSの七区分であり、更にAまではプラスマイナスの細かな難易度があるらしい。


「そんで、難易度毎に攻略推奨されるレベルとかがあって、とりあえず霧矢達にはAプラスに行ってもらったんだよね」


・Aプラスって確か推奨レベル1000以上だろ?ホームページによると

・その霧矢さんは美作さんと一緒にいるのはどゆこと

・↑↑察しろ。てぇてぇの雰囲気だ


「美作さんはガッツリ後衛だから。守る為の前衛もいるだろってことで、霧矢のケツ蹴ってきた」


 ついでに、これで完全に堕とせとも言っている。カッコイイ所見せまくればきっと少しは意識して貰えるよ。


 今のとこまだまだ可愛い弟分枠だからな。頑張ってカッコイイ男の子まで行ってほしいところである。


 霧矢達以外にも、俺が鍛え上げた自衛隊や警察の人達も、俺たちと同時に比較的難易度が低いダンジョンを攻略するらしい。俺を含め、全員が攻略成功すれば、日本からは30ものダンジョンが既に攻略完了となる。


・それで~~???勇者各務がいるのはどこなのかな~???

・ホームページで見たから、いる場所は既に知っている

・でも信じたくはねぇ。頼む。ギャグだと言ってくれ


「はい、ということで────」


 魔法で浮かせているスマホを下げていき、今日俺が挑むダンジョンの入口を映す。


「────準最高難易度ダンジョンRTAはっじまっるよー」


・ゆ っ く り し て い っ て ね

・できるかぁ!!!

・Sランクダンジョンじゃねーか!!!

・頼む!やめてくれ!

・俺たちはまだここで最高戦力を失う訳にはいかないんだ!

・今ならまだ間に合う!ユーリちゃんと合流するんだ!


「え、あのお披露目配信見てまだ俺の実力疑ってるやついんの………?」


 ちなみに、ユーリというのはゆかりのことである。いつまでも本名を名乗らないと、視聴者がなんと呼べばいいか分からないため、こうして偽名を名乗ることになった。


・いや、疑っては無いけど……

・Sランクってさ、推奨レベル3000なんでしょ??

・霧矢のレベルって今なんぼよ?思い出してみ?


「ん?1200だろ?まぁ確かにアイツにはまだ早いか……」


 あの五人の中で最強なのは霧矢だ。次点でゆかりの1150。浩紀の1080と続き、一番レベルが低いのは美作さんの900である。


 自衛隊組筆頭の須貝さんは、500まで行き、俺ら以外の攻略組の平均レベルは200位だ。


 推奨レベル的に、失敗する可能性は低いとは思うが、大きな怪我無しで帰ってきて欲しいところである。


・違う。そうじゃない

・各務のレベルはいくつって聞いてるんだわ


「あ、俺?あー……言ってもいいけど信じないでしょ君達」


・ソンナコトナイヨー

・ワカッテアゲラレルヨ~

・シンジテアゲラレルヨ~


 よし、言わねぇ。どうせ計測不能アンノウンって言っても信じねぇだろうしな。


「本当はさ、とっととSSランクのダンジョン行きたかったんだよね」


・なんて?

・まぁいいそう

・いや無謀すぎ

・流石に無理だろwwwwイキリすぎwww

・↑お、なんだ?アンチか?

・世界最強に喧嘩を売るとか無謀すぎワロタ


「でもさ、須貝さんにめちゃくちゃ土下座されて止められたんだよね。本当はSにも行って欲しくないみたいだったからさ────実は昨日、速攻でAプラスのダンジョン攻略したんだよね」


・は?

・は?

・は?

・は?

・は?


 流石にちょっとムカついたよね。俺の実力舐めすぎと。


 慎重になるのも分かるけどさ、こんな雑魚共に時間をかけたくないわけよ俺は。昨日無理矢理許可をもぎ取って、Aプラスダンジョンを30分で攻略してやった。


 ぶっちゃけクソザコだった。この程度かーと若干失望もしたよね。あのダンジョン推奨レベル1500以上だったけど、この程度かと。


 だからこうしてSランクに挑むことを許されてるわけで。久々に、魔眼使うくらいには楽しめるかとワクワクしている。


・待って!ようつぶで政府のアカウントから動画でてる!

・動画時間30分!?しかもAプラスダンジョン!?


「Aプラスとか相手にもなんなかったからさ、とりあえず一時間目標でここ攻略することにするわ」


 そしたら、SSにも挑んでヨシ!となるだろ流石に。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ワールドを一緒にやってくれる心優しき友たちよ────仕事忙しいからゴールデンウィークまで待ってくれない?


ワールドを一緒にやってくれる心優しい人たちへ。Xで待ってます↓↓↓

@YuzukiAoba

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る