第4話 先輩の家

「へぇ〜、ここが先輩の家ですか。綺麗ですね」

「ふふ、そうでしょ」

 

 居酒屋で会計を済ませた後、電車で移動し、

 中野先輩の家にやってきた。


 先輩の家には最新のゲーム機やデスクトップPCが設置されていた。

 あれゲーミングPCだよな?

 なんであんなスペックの高いパソコン持ってるんだ?

 この人、ゲーム好きなのかな?

 

 あと、なんか良い香りがする。

 先輩の部屋から漂う甘い香りに、ドクドクと胸の鼓動が高まる。

 

 女性経験が少ない俺からすると、この部屋は刺激が強すぎる。


「先輩、ゲーム好きなんですか?」

「うん、大好きだよ」

「へぇ〜、ゲーム好きなんだ。だからゲーミングPC持ってるんですね」

「うん、バイト代で買ったんだ」

「あれ高いんですか?」

「高いよ。モニター含めて50万円ぐらいしたかな」

「ご、50万円……バカ高いですね」

「ふふ、でしょ」


 中野先輩、本当にゲーム好きなんだ。

 付き合い長いのに、全然知らなかった。

 

 今の会話でわかったけど、俺先輩のこと全然知らないんだな。

 先輩のこともっと知りたいし、俺のことも知ってほしい。

 たぶん、この感情は……。


「ねぇ」

「はい、なんですか?」

「そろそろする?」


 おそらく、エッチのことだろう。


「……本当にするんですか?」

「当たり前じゃん。そのために私の家来たんでしょ?」

「まぁそうですけど……」

「あと、さっきから君の大事なところ凄いことなってるよ?」


 中野先輩は俺の下半身を見て、ニヤニヤする。

 ん? なんでニヤニヤしてるんだ?


 チラッと自分の下半身に目を向けると、確かに凄いことになっていた。


「南くん、ヤる気満々じゃん。もしかして今日私とエッチするの期待してた?」

「はい、居酒屋で飲んでる時から期待してました……」

「飲んでた時から期待してたんだ。君はスケベだね」

「先輩こそ、俺とエッチするの期待してたんじゃないんですか?」

「うん、私も期待してたよ」


 中野先輩も期待してたのか。


「先輩もドスケベですね」

「ドスケベな女は嫌い?」

「いえ、大好きですよ」

「ふふっ、それは良かった」


 俺たちは自然と顔を近づける。

 気づいたら俺たちの唇は重なっていた。


「んっんっ……ちゅっちゅっ」


 激しいキスをしながらベッドに移動する。


「先輩っ……」

「南くんっ、んっんっ……ちゅっちゅっ」


 中野先輩をベッドに押し倒し、色んなところを攻める。

 攻める度に、先輩の顔はトロトロに蕩ける。

 気持ちよさそうだった。

 

「先輩、ゴム持ってますか……?」

「ううん、持ってない……」

「え? マジで? 俺も持ってないんですけど……」

「……」

「……」


 中野先輩もゴム持ってないのか。

 どうしよう……。

 流石に生でするのはマズいよな。

 仕方ない、プレイは中断するか。

 

「先輩、コンビニでゴム買ってきますね……」

「ううん、買いに行かなくていいよ。生でしよっか……」


 中野先輩の言葉に俺は「は……?」と間抜けな声を漏らす。

 な、生だと……?

 俺の聞き間違いか?


「先輩、今なんて言いました?」

「だから……生でしよ、ね?」

「……いいんですか?」

「うん、南くんならいいよ。その代わり、中に出さないでね?」

「……わかりました」


 


 ◇◇◇




「南くん」

「ん? なんですか?」

「私、中に出さないでって言ったよね?」

「……はい、言いましたね」

「なのに、なんで中に出したの?」

「……それはその、先輩の中が気持ちよくてつい……」


 俺の返事に中野先輩は「はぁ……」とため息を漏らす。

 呆れている様子だった。


 さっきまで俺と中野先輩は生で夜のプロレスごっこを楽しんでいた。

 盛り上がりすぎて先輩の中に無許可でビームを放ってしまい、今に至る。

 ヤってしまった……。

 本当は外にビームを放つ予定だったのに。

 全く何やってんだ、俺は……。


「先輩、本当にすみません」

「もういいよ。終わったことだし」

「え? 許してくれるんですか?」

「うん、南くんならいいよ。許してあげる。ちゅっ」


 急に中野先輩がチュッとキスしてきた。

 お返しにキスすると、中野先輩は「えへへ」と嬉しそうに笑う。

 この人、可愛すぎるだろ。


「先輩、もう一回できますか?」

「え? さっきたくさんシたじゃん。まだしたいの?」

「うん、まだまだ先輩とシたいよ。ダメですか?」

「も、もう仕方ないな。特別だぞ?」

「え? まじで? いいんですか……?」


 中野先輩はコクリと恥ずかしそうに頷く。

 我慢できなくなった俺は、朝まで中野先輩を求めた。

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