第22話 偶然の再会
昔の知り合いに、偶然バッタリ再会することってありますよね。
今月シドニーに出張することになり、フライトやホテルを専用のアプリ
でオンライン予約しようとしたら、アプリに不具合が。
出張なんて二年に一回くらいしかないので勝手がわからず、よく出張する同僚に相談してみたら、「旅行会社のエージェントにメールしたらいいよ。むこうで全部押さえてくれるよ」と連絡先を転送してくれました。
もらった連絡先には、旅行会社の一般的なメルアドと、エージェントの下の名前だけ書いてありました。「ナツダ(仮名)」と。
「二十年以上前に通っていたメルボルンの専門学校にも、同じ名前のタイ人の女の子がいたな〜」と思い出しましたが、名字もわからないし、タイではよくある名前なのかもしれないし、「同一人物だったりして……。まさかね」と思いつつ、メールしてみました。
メールは事務的な要件だけにとどめ、「二十年前に○○っていう学校に通ってませんでした?」的なコメントは入れませんでした。別人だったら恥ずかしいので。
しばらくして返信がきましたが、こちらも事務的な内容のみ。ただ、下の名前だけでなく、名字も書いてありました。果たして、その名字も元・クラスメイトと同じものでした。
同僚とのメールのやりとりを見る限り、普段のナツダさんは、名字は書かずに下の名前だけ記載するのに、私への返信には、わざわざ名字も書いてきたわけです。
これはもう間違いないと思い、電話をかけてみたら大当たり。ナツダさんも、メールにあった私のフルネームを見て、「もしかして……。でも、日本じゃ良くある名前かもしれないし」と思いながら、返信したそうでした。
最後に会ったのが二十年も前で、その当時はお互いに二十代。恋人はいたけど結婚してませんでした。今では二人とも結婚して二児の母。夫も同じ学校の同期生で、当時は私の彼氏だったので、「○○(←夫の名前)とそのまま結婚したんだ!」と驚いていました。
ナツダさんとは、近いうちに夫や子どもも一緒に会う予定です。
そもそも、出張なんてほとんど行かない私がシドニーに行くことになり、たまたまアプリに不具合があって、同僚を担当したのがナツダさんだったので、こうやって再会するに至ったのでした。何かが一つでも違ってたら再会できなかったのだと思うと、感慨深いです。
この手の話がもう一つあります。
その昔、インドを旅行していた時、ムンバイで夫がボリウッド映画のエキストラにならないかと声をかけられたことがあります。当時のボリウッド映画では、白人のエキストラをたくさん起用していました。
スカウトされたのは夫でしたが、私もおまけでエキストラに起用してもらえました。ということで、二人して撮影所へ行くバスに乗ったのですが、そこで元・同僚にバッタリ再会したことがあります。
学生時代にメルボルンのパンケーキ屋さんでウエイター件皿洗いをやってたことがあるのですが、そこで一緒に働いていたバイトくんです。バイトを辞めてからは音信不通で、七年経ってからの再会でした。
ボリウッド映画のエキストラの仕事なんて、当時は掃いて捨てるほどありました。撮影所へ行くバスも一日に何本も出ていました。莫大な人口を抱える広大なインドで、たまたま同じ時間、同じ場所に居合わせたことの不思議!
彼とは、夫のほうが意気投合して、私が「危ないからやめて!」と口を酸っぱくして言うようなことを端からやっていってました……。夫は私がいるので、夜は安全な宿に大人しく帰ってきましたが、彼のほうは翌朝、「変な男に騙されて、危うく殺されかけた」と青い顔で話していました。一緒に過ごしたのは二日だけで、彼は先に帰国したので、私は正直ホッとしましたよ。
こういう偶然って、意外と身近にありますよね〜。みなさんも、こういうお話があったら、ぜひ聞かせてください。
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