第5話 ゲーム選択

俺が告知を読み終えて開催されるゲーム一覧を眺めていると勇人が代表して声を上げた。

「3人とも聞いてくれ、第一ステージの内容を大体は理解できたと思うが問題は参加するべきゲームだ。俺もすべては見ていないがこのゲームなんてどうだろうか」

勇人はそう言って自身の端末を全員が見えるようにテーブルの上に置いた。

そこに書かれてあるゲームはバトルロワイヤルというゲーム名で定員80名のゲームだ。

おそらく勇人がこのゲームを推薦したのはタイトルの下に書いてある4人チームで行われるゲームだからだろう。

「俺はいいと思う。もちろんほかに良さそうなのがあったら別だが。」

チーム戦ということは俺がこの3人を守りながら戦うことが出来る。

ということで勇人の意見に賛成しておいた。

「僕も賛成かな」

晴翔もこのゲームにも賛成しあとは歩だけだが少しだけ不安そうな顔をしている。

「俺も4人で組めるいいゲームだと思うけど少し難易度高くない?」

歩の主張はもっともだ。

このバトルロワイヤルは難易度Lv7と他のゲームと比べても少しだけ高くなっている。

Lv7がどの程度の難易度か定かではないが俺でも苦戦する可能性だってある。

単純な殺し合いなら負けることはないだろうが、、、

ちなみにパッと見た感じ平均のLvは5で一番高いLvは10だ。

「確かに難易度Lv7は俺も少し高い気がする。しかし第一ステージは1か月という時間制限がある。どのゲームがどの程度の時間で終わるか分からない以上多少難易度が高いゲームを一回はしておいた方がいいと俺は思う」

「なるほど、クリアするのに星10個となると時間切れになる可能性があるね。そういう事なら俺もこのゲームに賛成だ。」

歩は勇人の説明で納得した様子だった。

「もう少し調べてこれよりいいゲームがなければ早速ゲームに参加しよう。時間も無限じゃない」

勇人はそう言って新たなゲームを探し始めた。

「少しテレビをつけてもいいか」

俺は外の様子が気になったのでテレビをつけることにする。

どのチャンネルをつけても今の外の様子が映っていた。

「勇人の判断は間違ってなかったね」

歩は安堵の声を漏らす。

無理もないだろう、テレビに映っている外の様子は能力を他人に向けて使い人を殺している人もいれば混乱を抑えるために警察が能力を使用しさらに人が死ぬという地獄絵図が映っていた。

「まあ、こうなることは予想出来た。世の中には何も失うものが無いいわゆる無敵の人という人たちが俺たちの思っている数倍いる。そういう人たちが能力を手にすると殺人などの犯罪をするのは必然と言っていいだろう」

「てか、この家は大丈夫なの?」

外の様子を見て心配になったのか歩が質問してきた。

「大丈夫だと思うぞ。ここはマンションだし相当強い能力でないと破壊は出来ないと思う。ましてや俺の家は最上階だからな、わざわざここまで来て俺たちを殺しに来たりはしないはずだ。まあ、仮にマンションが破壊されそうになったら歩の能力で俺たちを地上まで送り届けてくれよ」

俺は歩の不安をなくすために少し冗談を言った。

「俺の能力じゃ人は浮かせられないよ。てか、今更だけど暁ってこんないいマンションの最上階に住んでいるってことはもしかして相当の金持ちだったりする?」

「どうだろうな」

とりあえず肯定も否定もしない。

俺の資金は昔の仕事で稼いだものだから真実を話したらこいつらとはもう友達ではいられない。

「分かった、親が何かの社長でしょ」

歩がこの話を深堀してくる。

「まあまあ、人には聞かれたくないこともあるしこの話はここで終わりにしよう」

晴翔は俺の気持ちを察してくれたのか話を終わらせてくれた。

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