セレナーデ
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第1幕が始まった時と同じ構成で、舞台セットが組まれていた。
舞台中央に立つジェラルドが
歌声を聞いてバルコニーに出てきたシャーロットが、彼の姿を見てはっと息を吞んだ。
セレナーデを歌い終えると、ジェラルドは壁に絡んだ蔦を足場にしてシャーロットの部屋のバルコニーによじ登った。
「愛しいシャーロット、君にどれほど会いたかったことか。顔を上げて、その美しい顔を見せてくれ」
「その前に、どうか私を強く抱きしめてください。これが夢でないことを示すために」
ジェラルドは、言われた通りにした。
「ジェラルド、ジェラルド、あなたなのね。戻って来られたのね」
2人は、歓喜に溢れたデュエットを歌った。湖畔で歌ったデュエットのリプライズだ。
あの日から10日間、あまりに多くのことが起こったので、2人で歌った日々が遠い昔に思えた。
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